久しぶりに、一気に読み切った2冊をご紹介します。
著者:大西 康之
昔、リクルート事件が起こり、江副氏が激しくバッシングされていた為、
なんだかイカガワシイような先入観を持っていたリクルートでしたが、
蓋を開けてみると、事件後も会社は存続し、更に、実力のある人材を
多数輩出する企業と認識されるようになり、一体、あの事件は何だった
のか知りたいと、ずーっと思っていました。
それを叶えてくれる一冊に出会え、あまりの面白さに一気に読んで
しまいました(笑)。きっと、当時のことを知らない方が読んでも、
小説のように読めるのでは?と思う一冊でした。
江副氏がどういう人だったのか、リクルートがどういう仕事をしていたのか、
どういう背景で、今に繋がる企業文化が醸成されていったのか、
何を志向し、結果、あの事件へつながっていったのか、当時の世の中の目
などなど・・・かなりスピード感のある文体で描かれています。
そして、きっと事件後直ぐに読んでも理解できなかったであろう、
今で例えたらどういうビジネスを作りかけていたのか、作り上げる可能性が
あったのかが具体的に分かるように書かれていて、江副氏の着眼点の鋭さに
気付かされた一冊でもありました。
こちらの本、久しぶりに紙の本で買ったのですが、
読んでいると、自分が江副氏の人生のどの辺まで来ているのかを確認できて、
電子書籍とは違い「ああ、もうすぐ読み終わっちゃう・・・」という気持ちも
楽しめました(笑)。
更に、以前から買って読めてなかったこちらの本も続けて読んでみました。
リクルートという奇跡
著者:藤原 和博
今は教育者として知られる藤原氏ですが、リクルートで、江副氏とも接し、
リクルートの中で鍛えられ、後々、リクルートマンとして会社を中から
支えておられた様子が、こちらもスピード感を持って描かれています。
江副氏の上から見たリクルートと、藤原氏の下から中から見たリクルート。
同じ時期のことを扱っているだけに、この2冊を続けて読むと、1つのことを
違う側面から見ることができ、本当に面白かったです。
そして、この2冊で、どうして、リクルートという企業が、多数の優秀な人材を
輩出し続けてきたのかも、よくわかりました。
江副氏が行き過ぎた面もあったとは思いますが、
日本という国の出る杭を打つ風潮が行き過ぎた面もきっとあって、
事件に巻き込まれた人たちが、罪に問われず、もしももう少し活躍していたら、
日本の「失われた○○年」というものが変わっていたのかも・・・とも思いました。
面白い本を読みたい!という方にはお勧めです。是非、ご一読ください。