世界史の構造的理解
長沼伸一郎著
本屋さんで、著者の長沼氏の「現代経済学の直感的方法」の中を見てみて
理解できそうだったら、買ってみようと、パラパラ見てみたら、
一見、「うわ・・・」と思ったものの、少し読んでみると読みやすく、
ちょうど、横に、新刊のこちらが置かれていたので一緒に買ってきました。
休みがちなこちらのブログながら、時々お勧め本の投稿をしてきた中で、
これまでにも世界史や地政学の本を紹介してきましたが、
他の本では全く違う視点で、歴史の別の側面が色々と紹介されていて、
ちょっと衝撃を受け、読みやすさと面白さからほぼ1日で読んでしまいました。
過去にも書いたと思いますが、ここ数年、民主主義だったり、グローバリズムが
行き詰りつつあるように見える中で、何十年か後の人たちから見た今は、
移行期にあたっているんじゃないかなと思うことが増え、
移行するとしたら、どういう世界になっていくんだろう?ということを
うっすら考えながら、ニュースを見たり、本を読んだりしています。
この本は、まさにそこについて、「古典」と「力学」に立ち戻り、その先を推測
してみようとするものなのですが、書かれている内容が、私にとっては
目からウロコなことが多く、読むには読んだものの、消化しきれない程の情報量
だったので、一緒に買ったもう1冊の方も読んで、しみ込ませてみようと思っています。
特に、高校時代、物理の時間に、「到底、私に理解できるとは思えない~!」と
早々に音をあげた科目だったので「縮退(しゅくたい)」という言葉も初見(・・・多分)で、
この言葉で説明されている、現在の経済や環境の問題点には、「言われてみたら、
ホントそうだな」と衝撃を受けました。
子供たちの未来を考えると、短期的願望を個々が追い求める社会ではなく、
長期的願望を維持しやすい社会に戻すため、三脚の足場を広げられる世の中に
しなければいけない(詳しくはP165に書かれています)ギリギリのタイミングに
きてることがわかります。
色々な本を読んで、物事を俯瞰して見られるようにしないとなと心がけてはいる
のですが、それでも、やはり、欧州、英国的なもの、米国的なもの、キリスト教を
源流としたものなどのバイアスがかかった考え方の影響を受けてきてるなと気付かされ、
その根底には何があるのかについて知ることができます。
欧米、中国、ウクライナ、ロシア・・・様々な問題が山積みの今、絶対的な解決策は
みつからないとしても、新しい視点を手に入れられる一冊でした。
ご興味のある方は、ご一読ください。