お坊さんに聞く108の智慧 | イージー・ゴーイング 山川健一

お坊さんに聞く108の智慧


藝術学舎から、『お坊さんに聞く108の智慧』(田中ひろみ)という本を出版します。発売日は3月15日で、Amazonなどのネット書店では17日頃から発送開始。今は予約を受付けています。その見本が1冊、ぼくの手元にあります。藝術学舎というのは東北芸術工科大学と京都造形芸術大学の出版局で、ぼくはそこの編集長なので。

 

著者の田中ひろみさんは仏像イラストレーターの方で、仏像に関する著書がたくさんありますが、「いろんなことを相談される機会が増え」、ところが「答えに困る場合」がある、と。そこで、5人のお坊さんにさまざまなことを相談するこの本が生まれたというわけです。

うーん、実によくわかります。ぼくも作家で大学の教員で、いろいろな人にいろいろなことを相談されるケースが多いのです。本書で読者の方がお坊さんに相談しているのと同じ内容の質問を受けたことも二度や三度ではない。そしてほとんどの場合は田中ひろみさんが書いているように「答えに困る」わけです。

たとえばこんな相談事です。

 

・ずっとフリーターでいたい。
・好きなことを仕事にしたい。
・会社をやめたい。
・同性との交際を親に隠している。
・前の彼女を忘れられない。
・生きている意味がわからない。
・DVを受けて育った。
・悲しいニュースばかり。

 

こうした相談事が108並んでいるのが本書で、お坊さん達の答えはどれも素晴らしいです。5人のお坊さんのアドバイスは驚くほど的確で、しかもよく読むと深いです。仏教知がその根底にあるからでしょう。

 

もともと仏教というのは、「難解なことを簡単に伝える」ことを重要視していて、「火事の起きている家にいる時は一刻も早く逃げることが大切なのであり、なぜ火事が起きたのかとか炎の本質とは何かなんてことは後で考えればいい」というお釈迦様の哲学に基づいています。

 

この『お坊さんに聞く108の智慧』は、まさに火事が起きている家から一刻も早く逃げ出すための1冊なのです。

ぼくはゲラや見本で何度かこの本を読みましたが、これからは「悩み解決」のための辞書のように使わせてもらおうと思っています。皆さんも。是非どうぞ。

 

田中ひろみさん、ありがとうございました!

 

PS 発売は幻冬舎です。