「私」ロック化計画 ──早稲田大学オープンカレッジでの講義 | イージー・ゴーイング 山川健一

「私」ロック化計画 ──早稲田大学オープンカレッジでの講義

早稲田大学エクステンションセンターで、9月から10月にかけて4回、『「私」ロック化計画 』という講義を行うことになりました。ロックは本来的な意味でぼくの「専門分野」であり、早稲田は一応ぼくの母校でもあるので。

「私」ロック化計画
https://www.wuext.waseda.jp/course/detail/40971/


早稲田大学エクステンションセンターというのは早稲田大学の教育や研究機能を広く社会に開放することを目的にした教育機関です。社会人の人達向けなのかな? もちろん学生の皆さんでもOKだと思いますが。

ここで、4回の講義を行います。時間帯を毎回金曜日の19:00〜20:30に設定したので、興味のある方は是非ともいらして下さい!

講義概要
ロックという音楽の輪郭を、理念的な面、歴史的な面、技術的な面、それぞれからつかむことを目的とする。それには「私」という存在を明確化することが不可避である。「ロックしようぜ」という言説は「私自身であり続けよう」という意味なのである。他の文化の流れと緊密に結びついたロックという表現の構造と力学について知り、それらの「知」を自らの日々に生かすことができるようになる。

1回 09/29
19世紀末の世界の状況
ロックの父親とも言うべきブルースは、20世紀はじめにアメリカ南部で生まれた。ダーウィンの進化論、フロイトの心理学、ニーチェの神を否定する哲学の登場など、まず19世紀末の文化状況を把握する。そして考えてみよう。ゴスペル教会の外で、「悪魔」と蔑視されたブルースマンが何を歌い始めたのか?

2回 10/06
ロックンロールの誕生
ミック・ジャガーがコピーしたのは腹の底から絞り出すマディ・ウォーターズの発声方法と、マイクを片手に自在にステージを動き回るハウリン・ウルフのステージングだった。「ブルースに子供が生まれた。連中はその子にロックンロールという名前をつけた」と言われるようになる。ロックが生まれ、そいつは確かに世界を変えたのである。

3回  10/13
ローリング・ストーンズの「ギミー・シェルター」が芸術の概念を改変した
ロックは世界にどのようにコミットすればいいのか? 「現実の政治には手を触れない」という芸術の掟を軽々と破って、多くのミュージシャンは反戦に身を投じた。マヤコフスキーのような自殺者を出すこともなかった。なぜそんなことが可能だったのか。ロックが内面的なエネルギーの固まりだったからである。

4回  10/20
ロックはどこへ向かおうとしているのか?
ロックへのほとんどたったひとつの本質的なアンチテーゼは、レゲエだった。キングストンのゲットーから生まれたレゲエとは何だったのか? ロックはレゲエに歩み寄り抱擁し、手に手をとって新しい時代の扉を開いた。それが、たとえばSuperHeavyである。ロックは死んだか? いやいや、すべてを飲み込みさらに転がっていこうとしているのだ。


以上が、シラバスです。
ぼくは小説家──ロック作家なので、ロックのように激しいものを胸のコアに抱えた小説の書き方についてもレクチャーしようと思っています。


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