銭の戦争　あらすじネタバレ　５話④

夜遅く、金原専務から、
かねてより申請中だった特殊プラスチックの特許がようやく降りたとの知らせを受けた富生は、
久しぶりにホワイト化学の工場を訪ねる。
事務所へ着くと工員のみんなが祝杯をあげていた。
富生が中へ入ると、とたんにみんな固い表情になった。
富生も、従業員の皆も互いに気まずいのだ。
その凍った空気をほぐすように金原が笑顔で、富生を迎え入れた。
それでもみんな押し黙ったままだったが、一人の従業員が「俺は今でも社長には腹が立っているんだよ。」と
ポツリと語り始めた。
「ホワイト化学はこれからだったのに。だけど…これでようやく社長の弔い合戦が出来る」
その従業員の目線の先には、社長であった富生の父の遺影が置かれ、お供え物も手向けられてあった。

あれほど父の事を怒っていた従業員達の気持ちも、今では、ずいぶんと落着きを取り戻したようだった。
金原が「おまえら富生さんに言いたい事、あんだろう！」と声を掛けると、
ポツポツと彼らの間から「富生さん、ごめんな」
「俺ら、あの時、混乱してて…」と富生へ詫びる声が相次いだ。
「給料の未払い分まで払ってもらったのに辛い思いばかりさせてすまなかった。」
金原がそう言って頭を下げると、全員がそれに続き富生に頭を下げて詫びた。
富生は「いや、俺の方こそ、すいませんでした」と言って頭を下げ返したので、
その瞬間と言うもの、その場にいた全員が頭を下げていた。

それからみんなで、特許が降りた事の祝杯と、ホワイト化学の復活への祈りを兼ねて乾杯した。
父の遺影の前にも缶ビールが供えられ、ひとときの穏やかな時間が流れていた。

そのホワイト化学の様子を外から窺う人影があった。
梢である。

その翌日、梢は早和子にホワイト化学の財政再建を自分に任せて欲しいと頼む。
ホワイト化学の特殊プラスチックの事を調べた梢は、世界を相手に戦える技術と認め、
特許が降りた今こそ抜本的な改革が必要だと早和子に語った。

銭の戦争　あらすじネタバレ　５話⑤へ続く。

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