田中美佐子主演ドラマ 禁断の果実 ネタバレ・感想(近親相姦ではなくて近親恋愛だ!) | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

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昔の日本のドラマのご紹介です(ドラマネタバレ)

田中美佐子主演ドラマ 禁断の果実 ネタバレ・感想(近親相姦ではなくて近親恋愛だ!)

ドラマ 禁断の果実 概要

1994年7月6日~9月28日の水曜22:00 - 22:55 に放送されたテレビドラマ。
ズバリ、そのまんま近親恋愛をテーマにしたセンセーショナルな内容のドラマ。
もし近親相姦と表現すれば、それは心が伴わない近親者同士の性的な結びつきを指しているような気がするが、そんな風に淫らな部分だけを取り出して興味本位の人達の前に晒しものにするという意図の脚本ではないと思う。
近親相姦ではない。
あくまで近親恋愛というテーマを貫いているドラマである。


脚本:遊川和彦・江頭美智留
演出:雨宮望、金田和樹、新城毅彦
主演:田中美佐子

尚、内容が内容だけに、DVD化は一切されていない。

尚、同じテーマ内容のドラマが他にあるか調べてみたが…AVしかなかった(○|─<爆死)


ドラマ 禁断の果実 ネタバレ・あらすじ


人気女優の桑原陽子(二役/田中美佐子)は、事故に遭い病院へ緊急搬送されたが、重体で意識が戻らない。
その病院で働く看護師の伊武月子が、たまたま桑原陽子に生き写しであったため、
そこに目を付けた陽子の所属芸能事務所社長の内海麻子から、陽子の替え玉を頼まれる。

月子は、幼い頃に弟の守(まもる/岡本健一)と共に母親に捨てられ、
それ以来、孤独を補い合うように二人して生きてきたが、
年頃になると姉弟以上に、守と愛し合ってしまった。
その許されない過去から逃げるため、替え玉の依頼を引き受ける月子。

ところが、替え玉生活を始めてみて、
守と離れようとすればするほど、自らの守への深い愛に気付き苦悩する。
守もまた純粋に月子を愛し求めていた故に、桑原陽子に成りすまして自分を偽り続ける月子に反発し苦悩する。

守と揉めながらも、公私共々を偽り続けて、数週間?あるいは数か月が経った頃、
桑原陽子が突如昏睡状態から目覚める。

そしてその頃、桑原陽子の事故は事務所の社長、内海が階段から突き落としたせいであるのが姉弟に知れる。

月子が、自分に成り代わっている事を知ると、
その存在を憎んだ末、ナイフで襲いかかる陽子。
しかし、それを見た守は姉を守ろうとして、陽子と激しく揉み合う。
そんな弾みに陽子の持っていたナイフが、彼女に突き刺さって死んでしまう。

陽子の死を知った内海は、陽子を月子だと偽り葬儀を挙げる事を提案。
「守を警察に突き出す」と、月子を脅しながら、本人や周囲の反対を捻じ伏せ、ゴリ押し的に実行してしまう。

ドラマ 禁断の果実 その後販売されたもの


DVD化は一切されていなんですが、書籍化されたんですね。
先に原作本があり、それを元にドラマ化や映画化されるのが一般的なケースなのですが…
その真逆を行ってました(^^;


ドラマ 禁断の果実 感想


率直に言えば、よく放送出来たな~と思うのだが、
その一方で、このドラマは、互いの置かれた境遇や立場に囚われず誰よりも純粋で真っ直ぐに、
人を愛する事を追い求めた恋人たちの清らかな物語でもあるのだと感じる。

そして、主人公とその彼(弟)だけでなく、
極悪人のイカれ女一人を除いて、
それ以外の彼らの周辺の人達も皆、いつしか二人の愛を応援する側に回っているのだ。

もちろん、姉弟でありながら、恋愛関係にある事を知った世間の人々の非難は轟々と二人を襲い鳴りやむ事はないが、
世間とは常にそのようなものだろう。
それゆえに最初、弟を愛してしまった月子は、そんな世間からの風雪に守を遭わせまいとして、別の人間に成り代わるという間違った選択をしてしまう。

月子は、たびたび「私たちの愛は多くの人を傷つけて死に追いやった。だから私たちは離れなければいけない。」と繰り返し言っていたが、それは違う。
多くの人を傷つけて苦しめ死に追いやったのは月子と守ではない。
レズっ気のある所属芸能事務所社長の内海麻子だ。
この女の陽子への執着が狂気を帯びて、ひと時も留まる事なく暴走し、何人もの人が死んだ。
こいつさえいなければ、このドラマ世界はどんだけ平和だった事だろうか?

さてドラマ作品としての出来栄えはどうであろうか?という点では、いわゆるドロドロ系の作品で、粗削りな上に矛盾点も多い。

守を拉致監禁したり、子供の生(しょう)を誘拐したりと、やりたい放題の内海麻子だったのに、
何があっても、麻子に迷惑を被った人々の誰一人として警察に通報しない。
何をするかわからない危ない女を野放しにしたままで、
最終回では親子水入らずで遊園地の休日を楽しいでいた。
それを見て、私はついつい心の中で叫ぶ
「おいっ!そんな呑気な事してる場合じゃないだろうがっ!」
案の定、イカれ女はまたしても、その遊園地で、守の後ろに忍び寄り、ナイフで彼の背中を刺す。

もう一つの矛盾点。月子と守は度々、二人で逃避行しているが、その時の逃走資金はいったい何処から降ってわいた?
月子は、いつも着の身着のままで飛び出しているし、守は働いている様子も全くなかったのに。

案外と放送回数が多かったこのドラマ。
全13話であった。
最終回の第13話で迎えた結末は、なかなか他ではちょっと無いほど痛ましく、これまでの努力が一切、報われない事が悲しかった。

いずれにせよ、最後まで視て、このドラマの脚本家さんは、近親恋愛を全肯定している事だけは、よくわかった。