エレクトリック・ドリームズから2つ目のネタバレは「安全第一」
フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ 6話 安全第一 ネタバレ
ドラマ『フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ~シーズン1』の第6話「安全第一」を一言でネタバレしたら、管理社会における巧みな洗脳の恐怖の話です。
フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ 6話「安全第一」更にネタバレ
殺人鬼やテロリストなどの脅威に怯える事のない安全な社会。
近未来、大都市ではそんな理想郷のような社会が、国家と、とあるセキュリティ会社の提携により実現していた。
確かに、このシステム〝バブルス”は、危険人物を未然に洗い出して逮捕し、社会の安全をキープする事には役に立っていたのだろう。
しかし、個人は、国家に安全を守ってもらう事と引き換えに、自分のすべてのプライバシーを行動監視システムに委ね差し出さなければならなかった。
そういった自由と引き換えにして手に入れる安全は窮屈であるというだけの問題だろうか?
いや違う。
一見、民衆に、安全で快適な暮らしを保障するかのような安全確保システムであったが、その一方で、
管理される人々の意識を容易くコントロールし洗脳を成し遂げてしまえる。
システムのプロパガンダを目的に、
無実の者をテロリストにでっち上げて、より人々の恐怖を駆り立てて、必要不可欠なシステムであると洗脳してしまえる恐ろしいシステムでもあったのだ。
だが提携している企業からすれば、国家がこのシステムの導入範囲を広げれば広げるほど儲かる。
国家としても犯罪が減り、市民の管理がやりやすくなる。
双方にメリットのあるシステムだった。
それゆえに、この社会体制に疑問や反対を唱える自由を望む者たちは邪魔な存在である。
例えそれがテロという暴力手段ではなく討論によって平和的に反対を訴えかけてくる人々であっても。
小さな町で育った少女は母と共に大都市に引っ越して来る。
個人のプライバシーと自由を守るべきという考え方の母が、
同じ自由思想の市民らに呼び寄せられたからだ。
活き活きと自身の考えを何者も恐れずに主張する母であったが、少女はそんな母と違い〝バブルス”を既に導入しているこの都市の学校でうまくクラスメートに溶け込む事が出来ず悩んでいた。
生徒たちの大半の者は、システムに監視されるためのデックスという腕輪を付けているが、少女にはそれがないので、なんとなくクラスで浮いた存在になり悩む。
〝バブルス”反対派の母にも言い出す事が出来ずにいたが、
こっそりと母のIDを使ってデックスを取り寄せてしまった。
デックスを腕に付けた少女に天の声のような男性の声が聴こえて来て、どんな些細な事柄も優しくアドバイスしてくれる。
名前は知らない声の主であるが、その声の主(後にイーサンという名だとわかる)は瞬く間に、少女にとって、なくてはならない支えのような存在になった。
少女と声の主の信頼関係が揺るぎないものになった頃、
少女はイーサンに、
彼女にすれば、学校という小さな社会の中で自分を取り巻く小さな問題だと思っていた事が、国家を覆すような大規模なテロリストの陰謀絡みであった事を知らされる。
誰を信じていいのか、しばし混乱する少女だったが、最終的にはイーサンを信じて、彼の言いなりになって動き、
その結果、少女の母はテロリストというとんでもない濡れ衣を着せられて警察に捕まり終身刑の判決がくだされる。