弟の永山絢斗はあんなことになってしまいましたが、兄の永山瑛太は今回の演技とか見るとやはりスゴいな…と感嘆しますね。
こんな兄がいるのは弟にとっては越えられない大きな壁だったろうな…と、薬物に逃げてはいけませんが、ちょっとだけ気の毒にも思ってしまいました。
永山絢斗と永山絢斗なりに頑張ってましたけどね…。
フジテレビ 木曜22時
「あなたがしてくれなくても」第10話
主演…奈緒
脚本…おかざきさとこ
演出…高野舞
奈緒も岩田剛典も田中みな実も、みんな頑張っていい演技をしているとは思いますが、
今回とか見ると、永山瑛太の演技は頭抜けてスゴいんだなと今さらながらに思いますね。
この陽一という役では、極力抑えめに演じてきましたから、ちょっとリミッターをはずせばこんな感じになるのかと目を見張ってしまいました。
私めは常々、永山瑛太はリアクション演技の達人だと評しています。
相手の演技に応じて千変万化のリアクションができる人で、演技派が競い合った名作「それでも、生きてゆく」でもそれは遺憾無く発揮され、激賞した記憶があります。
今回はみち(奈緒)から離婚を切り出され、抵抗するも、みちや誠(岩田剛典)から自分の至らなさをズバズバ言われて観念し離婚届にサインするまでの変化を、実に繊細、かつ緻密に演じてみせました。
まず、好きだし、一緒にいたいのに、なぜ離婚しなきゃいけないのかと駄々をこねる陽一に、みちは言います。
「陽ちゃんが好きなのは私じゃないよ。自分が好きなんだよ。離婚したら自分が困るから離婚したくないんだよ」
これ、図星ですね。
なのに、なんでそんなこと言われなくちゃいけないんだろう?俺ってそうなのかな?くらいの顔をしている。
この無自覚から来るクズっぶりと悪意はない無垢さ、それが混在するところから来る憎めなさが実に絶妙なんですね。
そんな陽一のもとに誠(岩田剛典)が訪ねてきます。
みちとどんな関係かと聞く陽一。
付きあってはないが、大切に思っている…と話す誠に…
「みちは俺の妻です。結婚してるんですよ。別れませんから…」
「彼女の気持ちは考えないんですか?」
「みちがあなたを選ぶっていうんですか?」
この時にチラっと見せた陽一の怒りの炎、いつもは光を宿してない陽一の目がギラギラし始めます。
みちの気持ちを大切にしたいという誠に、あなたにみちの気持ちがわかるはずがないと反論する陽一。
すると…
「じゃあ、あなたにはわかるっていうんですか?彼女の気持ちが分かっていたら、みちさんが1人で苦しむこともなかったはずです。彼女は自分の足で立とうと必死に頑張っているんです。邪魔しないでください。」
痛いところをつかれ、怒りの炎が増す陽一。みちの気持ちが分からないできた自分を自覚もしたんですね。
再び、みちに会った陽一は、以前みちが子どもを欲しいかどうか聞いた時に正解は何だったのかを聞きます。
「みちの子どもが欲しい、そう言ってほしかった」
「俺にはその言葉、言えない」と陽一は離婚届にサインをします。
「俺と結婚しなければ良かったね。ムダな時間を過ごさせてごめん」
涙ながらに陽一を見るみち。
「そんなことないよって言わないの?」
苦笑いを浮かべる陽一の寂しげな笑顔。
この表情がまた何とも言えないものでした。
納得しきれていない実に複雑な笑みでした。
一方の誠と楓(田中みな実)は、楓が潔く受け入れてくれてあっさり離婚は成立。
しかし、楓は仕事に邁進するはずが、編集長の座は外部からの人に取られてしまうようで…。
誠は誠でみちに改めて告白するも断られてしまいました。
それぞれがうまくいかないまま最終回へ。さてどうなりますか?
今回の評価は…8