このドラマは毎回、生前の水季(古川琴音)と娘の海(泉谷星奈)のシーンから始まりますね。
その会話の中に、その回の内容とつながるキーワードがあり、今回は遅番の仕事に行く水季に、海が不安を感じ、水季が抱きしめて「いなくならないから大丈夫だよ」と安心させます。
いなくならないからって言ってたのに、いなくなってしまったわけで切なく悲しい冒頭でした。
フジテレビ 月曜21時
「海のはじまり」第3話
主演…目黒蓮
脚本…生方美久
演出…高野舞
夏(目黒蓮)は水季がいなくなって悲しいはずなのに、周りに気をつかって元気でいようとしていて、夏はそれを指摘し、
悲しかったら泣いてもいいんだと言ってあげます。
これを言われた時の海は、なんでそれがわかった?と驚きと戸惑いがあり、今まで封印していたものが溢れ出て、夏にしがみつき声を上げて泣きました。
この時、ずけずけ言う夏と違い、フォローし続けた弥生(有村架純)は、海にハンカチを差し出しますがスルーされてしまいます。
前回、弥生が海が産まれた頃に中絶した過去があり、その贖罪からも海の母親になる覚悟を決めたのがわかっているだけに、
夏と海の絆は深まっていくのに、弥生はある意味疎外されるのが痛ましくも酷く感じました。
津野(池松壮亮)は夏と海を見て疎外感を感じると言い、その言葉は弥生にも刺さるものがあり、
弥生の中絶を知らない朱音(大竹しのぶ)は、海といて楽しいと言う弥生に子どもを産んだことあるか?ときつい問いを投げ掛けます。
朱音は40を過ぎて不妊治療でようやく水季を授かったようで、やっとできた娘だったのに、妊娠も中絶も出産も何も告げてはもらえなかったらしく、
海を横取りするように弥生が母親になろうとしているのは妬ましく、ついイヤなことを言ってしまったようです。
津野も朱音も水季を亡くした喪失感からまだぐちゃぐちゃした感情があり、トゲのある言葉を吐いてしまう…そんな自分に自己嫌悪もしているんでしょうね。
以前、夏くんはいつパパを始めるの?と聞かれた夏は、海にパパになってほしいかを聞きます。
しかし、海はパパにならなくていいと言います。でもいなくならないでと頼むのです。
津野や朱音の喪失感と同じように、海も水季がこの世からいなくなった喪失感に苦しめられてきたんでしょうね。
バパもママも1人しかいないからいなくならないでというのが何とも切なく胸をしめつけられました。
次回予告では弥生が中絶のことを夏に告げるようですね。また見ると苦しくなることを覚悟して見ないとダメそうです。
第3話の評価は…8