今回は大動脈解離の後遺症で下半身不随になってしまった母親のひとみ(坂井真紀)と、その母親を絶望から救いだそうとする娘、七実(河合優実) とのエピソードが丁寧に描かれました。
お互いを思い合う気持ちが痛切に伝わり実に感動的な回でした。
NHK 火曜22時
「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」第2話
主演…河合優実
脚本…市之瀬浩子
演出…大九明子
大学進学はどうするかをそろそろ考え始めなければならない時期に来ていましたが、
七実はひとみのことなどあり、とてもそれどころではなく考えられずにいました。
担任にも泣いてるふりをして、いろいろ免除してもらおうとする七実のちゃっかりぶりが、このドラマならではです。
そんな七実の前では、大学進学のことを気遣うひとみですが、七実のいない時に看護師に対しては、子どもたちを幸せにするために頑張ってきたのに、このままでは子どもたちのお荷物になるだけと嘆き、死にたいと涙ながらに訴えるのでした。
ここの坂井真紀の長ゼリフがグッと来ました。頭も心もしっかりしているからこそ余計に苦しみ悩む残酷さ。
それを七実は立ち聞きしてしまいます。
演出の大九明子はここで聞いた七実の顔を映さず、その場をそっと立ち去る下半身だけを映しました。
顔を映すより七実のショックを強く印象づける絶妙な演出でした。
何とかひとみを元気づけたくて、七実はひとみを病院から連れ出し、車イスを押しておしゃれなカフェに行こうとします。
しかし、繁華街は人通りが多くて、「すみません、すみません」と謝りながら通り抜けねばならず、
せっかく七実が買ってあげた耳飾りも片方を落としてしまっても、ひとみはそれを言い出せませんでした。
お目当てのカフェは段差があって入れず、別の店でランチをします。
ひとみはイヤな思いをさせたと、しきりに七実に謝ります。
そんなひとみに七実は自分が手術の同意書にサインしたから、ひとみをこんな苦しいめにあわせたと後悔の念を明かします。
「もう。悔しい。今日1日ホンマに腹立った」
「死にたいなら死んでもええ。私も一緒に死ぬ、、でももうちょっと時間ちょうだい。ママが生きたいって思えるようにしたいねん!」
このセリフに私め、涙がどっと溢れました。
七実は、そこから猛然と大学入試の勉強をしたようです。
父親の耕助(錦戸亮)も行きたかった名門大学に合格したんです。
このバイタリティーがこのドラマの素晴らしいところです。
七実の頑張りがひとみに生きる気力を取り戻させたのです。
死んだ耕助はダウン症の弟にだけは見えているようで、それは弟には耕助は東京に出張に行ってるとウソをつき続けているからかもしれません。
七実にも見えるようになったりするんでしょうか?
悲しいばかりでなく、それにへこたれない元気を与えてくれる素晴らしいドラマです。
第2話の評価は…まだ気が早いかもですが…9
今回の場合、私めの兄も下半身不随の障害を負うことになったという個人的な感情も正直なところ加味されています。