今回は身ごもった子どもを産むかどうかの選択をめぐっての水季(古川琴音)と弥生(有村架純)の対比が描かれました。
フジテレビ 月曜21時
「海のはじまり」第4話
主演…目黒蓮
脚本…生方美久
演出…ジョン・ウンヒ
前回、海(泉谷星奈)にパバにならなくていいから、いなくならないでと言われた夏(目黒蓮)。
そう言われたこともあってか、海のことをどうするかは時間をかけて考えていくことにしたようです。
しかし、弥生は認知はどうする?とか親権は?戸籍は?と矢継ぎ早に夏に聞いてきます。
夏は珍しく、そんな弥生に決めさせようとしないでと異を唱えます。
「弥生さん、何も強要しないけど、それはありがたいんだけど、決めてないってことすごい責めるよね」
なぜ夏に決めさせようとしてしまうのか、それはいまだに罪悪感を引きずる弥生の辛い過去のせいでした。
かつて妊娠した時に弥生がそれを相手の
悠馬(稲葉友)に告げると、産みたいかどうかを聞かれることなく、中絶が当然であるかのように、責任は取るし費用も払うからと言われてしまいます。
弥生は押しきられた形で弥生に選択肢はなく、何も言えませんでした。
産むか中絶するかまだ決めきれない弥生はその後母親にも電話しますが、
妊娠したことを告げると、母親は無言。
相手はあんまり産まないでほしいみたいと告げると「じゃあ、堕ろしな」の一言。
勇気を出して弥生が「1人で育てるのってさ…」と言い出すとかぶせるように「私無理だからね」とピシャリ。
「そっか、そっか、了解」
「お金出させなさいね」と一方的に言われて通話終了。
悠馬との会話同様に、いやそれ以上に聞いていて苦しくなる会話でした。
弥生の母親はまだ声しか出てきてませんが、弥生と母親の関係には冷ややかなものを感じますね。気になりました。いずれにしても弥生は家族には恵まれてない感じはしますね。
恋人にも母親にも気遣ってもらうことなく、弥生は1人で中絶をしたのでした。
一方、水季は妊娠したこと、中絶を相手に同意させたことを両親に告げます。
母親の朱音(大竹しのぶ)は自分が水季を授かるまでどんなに待ちわびたか、不妊治療のことを言い出すのですが、これに反発する水季の言葉が痛烈でした。
「子どもが欲しかっただけでしょ?母親ってポジション欲しかっただけでしょ?」
「母親ってそうじゃない女より偉いのかよ。治療して妊娠したらそうじゃないヤツより偉いのかよ」
「残念だったね。一生懸命頑張って妊娠してできた子がこんなで。お母さん、かわいそう…」
流石に後ろで聞いていた父親の翔平(利重剛)が割って入り、それ以上言わせませんでしたが、朱音にはキツい言葉でしたね。
そんな朱音に代わり今回はこれまであまり前面に出てなかった翔平が大活躍。
ひねくれた水季から、相手(つまり夏)に似た子になるといいという言葉を引き出し、
朱音が丁寧に綴っていた母子手帳を水季に読ませたり…。
水季が実は産んでもいいと思っている本音を見抜き、やんわりと誘導しました。
いいお父さんですね。
孫ができるのは嬉しいという笑顔が素敵でした。
産むことにしたと朱音に告げると、朱音は自分はかわいそうなんかじゃない、幸せだったと否定します。
選択肢はなく1人で中絶した弥生と、寄り添ってくれる家族がいて選ばせてもらえた水季との対比が切なかったです。
弥生は夏に中絶した過去を伝えました。その過去の罪悪感から、海の母親がわりになろうと焦っていたことも詫び、海と会うのもやめようとします。
しかし、ギクシャクした2人をまたつなぎ合わせてくれたのは海でした。
海も弥生も夏のことを好きな同士と弥生の気持ちを楽にしてくれたのです。
弥生は夏に、夏はなかなか迷って決めてくれないけど、一緒に迷えるのは嬉しいと告げます。
これまでの痛々しい回想を見たあとだけに、弥生の喜びがまたひとしお胸を打ちました。
このドラマ、見ていてつらくなったり苦しくなったりして、ドラマにそれを求めてない人には、ただただしんどいドラマなんでしょう。
万人ウケはしませんが、ハマる人には中毒性のあるドラマです。
第4話の評価は…8