このドラマは現代社会の縮図のような歌舞伎町の病院を舞台に、声高にはならずクドカンならではの味付けでさまざまな社会問題を取り上げています。
医療に関する問題がメインではありますが、今回は看護師長の堀井(塚地武雅)をめぐるジェンダーの問題と孤独死した独居老人の問題を取り上げました。
それでも重苦しくならないのが、やはり絶妙でした。
フジテレビ 水曜22時
「新宿野戦病院」第7話
主演…小池栄子、仲野太賀
脚本…宮藤官九郎
演出…清矢明子
前回のラストで横山(岡部たかし)が神宮の花火大会で母親(藤田弓子)と一緒にいるおじさん姿の堀井を見かけた問題。
横山は病院の仲間たちに報告しますが、男性だろうが女性だろうが、みんなあまり興味はないようです。
そうなんですよ。みんな薄々、堀井は女装した男性とわかっていても、別にいいじゃんってことなんですね。
それだけ今やジェンダーに関して理解が高まっているってことなんですね。
しかし、医療の世界ではまだ厳しいものがあるのか、女装の堀井を雇う病院は無くて、やっと啓介(柄本明)が雇ってくれたようです。
堀井の父親(野添義弘)は性同一性障害の堀井を理解せず許さなかったようですが、教師だった母親は理解があり、かばってくれていたのでした。
そんな母親が認知症になってしまい、堀井のことを父親と間違えるので、堀井は母親の前では男装し、父親そっくりな亭主関白ぶりを続けていたというのはちょっと感動的でした。
また、冒頭の独居老人の孤独死のエピソードも印象的でした。
とかく悲しく哀れな感じで取り上げられますが、今回搬送された老人は家族は知らなかったのですが、病院にしょっちゅう来ている老人たちと充実した日々を送っていたようで、
その死を悼んで、老人たちは亡骸が横たわるベッドに贈り物を次々に置いていきました。
どうせ葬式は家族だけなんだろ?というある老人の言葉が痛烈でした。
今や家族葬が主流になりつつありますから仲間の老人たちはお別れができないんですね。
そこに目を付けたのもクドカンならではでした。
第7話の評価は…8