端島の人々に残る戦争の爪痕…「海に眠るダイヤモンド」第4話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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これまでもチラチラと描かれてきた端島の人々に残る戦争の爪痕を、今回は母(山本未來)や姉と教会に手伝いに行き被爆した百合子(土屋太鳳)を中心にしっかりと描かれました。



初回以来の見ごたえがありましたね。





TBS  日曜21時

「海に眠るダイヤモンド」第4話


主演…神木隆之介

脚本…野木亜紀子

演出…塚原あゆ子





百合子がなぜ朝子(杉咲花)に意地悪な態度を取り、賢将(清水尋也)とはフリーな関係でいたのか、その理由がわかりました。



朝子への意地悪は鉄平(神木隆之介)と仲が良いことへの嫉妬くらいに思ってましたが、そんなことではなくもっとシリアスな理由でした。




あの日、母や姉と教会の手伝いに行くのがイヤで百合子は隠れていたのですが、朝子が無邪気に教えてしまい、行くことになってしまったのです。




そのため、姉は被爆して亡くなり、母親も白血病で病の床につくようになりました。

幼い百合子は被爆直後の地獄のようなありさまを体験したのです。




朝子が居場所を教えなければ…

そんな恨みをつい抱いてしまい、つらい態度をとってしまうようになったようです。

朝子は自分のせいでということを覚えていません。



キリスト教を信じて祈りを捧げてきた信者が数多く犠牲になったことに百合子は理不尽さを感じてきました。




なので、それでも信仰し続ける母親とも衝突していたんですね。




これまで陽性な役が多かった土屋太鳳が、この役では暗い影を背負った演技で新境地を開いています。




母親は亡くなりますが、嵐の夜に百合子が投げ捨てた十字架を賢将が拾ってくれました。




こんな奇跡があるなら、自分はまだ生き永らえることもできるかもしれない…

母親がすがった信仰の意味を百合子は感じられたようです。




朝子を恨むことをやめ、花火を見に行く浴衣の着付けを手伝うシーンには胸を打たれました。




私めが大好きなドラマ「夢千代日記」が想い起こされました。何の罪もない人々が戦争が終わったあとも苦しみを引きずる理不尽さが胸を打つんですね。




百合子の家ばかりでなく、鉄平の家も戦争による傷は癒えてませんでした。




長男は南方に出征して戦死。娘2人は福岡の親戚に疎開していたらそちらで空襲にあい亡くなったようです。




5人きょうだいは2人になってしまったんですね。

鉄平の父・一平(國村隼)は、古賀(沢村一樹)の家は誰も戦争に行かなかったと恨み言を言ってましたが、そんな気にもなりますよね。




住職(さだまさし)にも神も仏も救っちゃ

くれないのかと一平は噛みつきます。



「神も仏もいない。すべては人の業」という住職の言葉が重く響きました。




まだウクライナでも中東でも戦争は繰り返されていますからね。

神も仏もいないのかもしれません。

人は愚かな業を繰り返すという反戦のメッセージを受けとめました。




しかし、過去パートの完成度が高いために、現代パートって要る?と今回も思わずにはいられませんでした。





4話の評価…8

現代パートが無ければ9でも良かったのに…