今回は主人公藤竹(窪田正孝)の見えなかった部分が明確になりました。
今回のサブタイトルは「浮遊惑星のランデブー」という意味深なものでしたが、藤竹は浮遊惑星のように学界から外れて信念を貫こうとしている研究者なんですね。
NHK 火曜22時
「宙わたる教室」第7話
主演…窪田正孝
脚本…澤井香織
演出…一色隆司
藤竹って昼間は何をしているのか、ちょっと気にはなっていたんですが、昼間は無給の研究員なんですね。
名京大学の助教時代に教授の石神(高島礼子)とぶつからなければ、同期の相澤(中村蒼)のように、JAXAで惑星探査機のプロジェクトを任されるような道が待っていたはずだったようです。
石神は研究者でありながら政治力もあるようで、国から研究予算を引っ張ってくる力があるようですが、
純粋な研究者たらんとする藤竹とは考え方が相容れなかったんでしょうね。
石神に従順だった相澤は、順調にキャリアを重ねて、夢叶い惑星探査機のプロジェクトを任されるに至ったようですが、
なかなかうまくいかず、石神からはプレッシャーをかけられ、かなり追い込まれています。
そんな藤竹と相澤の対比が、2人の大学の恩師である伊之瀬(長谷川初範)と2人が居酒屋で呑むシーンでより際立ちました。
伊之瀬は石神のような道を歩まず、学界を離れて地元に引っ込み科学の楽しさを伝える講演などをしているようです。
藤竹はこの恩師のようでありたかったんでしょうね。
定時制高校の教師をしながら科学の楽しさを伝え、純粋な学究心による研究を発表する。
相澤が石神という恒星のまわりを回る惑星なら、藤竹はそこからはずれて宇宙を漂う浮遊惑星なんですね。
相澤にアドバイスを求められ、JAXAを訪れた藤竹は、石神と再会。ここでの会話がまさに象徴的でした。
「遠回りばかりしているうちに、どこへ向かおうとしていたのかさえ、忘れてしまわなければいいんですけど…」
と、石神が皮肉ると、藤竹は珍しく感情あらわにこう返します。
「僕には僕の信念があります。それを証明するだけです!」
この思いを胸に、藤竹は科学部のメンバーと歩んでいるんですね。
それがよくわかりました。
窪田正孝の穏やかな冷静さの奥に秘めた熱さをほとばしらせる演技に打たれました。
科学部のメンバーは長嶺(イッセー尾形)と柳田(小林虎之介)、アンジェラ(ガウ)と佳純(伊東蒼)がそれぞれ良いコンビネーションで、年長者と若者がお互いを補いあっている感じですね。
前回登場したコンピューター部の丹羽(南出凌嘉)も、科学部に理解を示し、協力的なのも嬉しかったです。
しかし、ラストに柳田の不良仲間だった
三浦が仲間と楽しげに歩く柳田に目をつけていました。
研究の邪魔をしてくるんでしょうか?
三浦や石神の妨害がありそうで不穏な空気を残すラストでした。
7話の評価は…8