第9話と第10話まとめての記事になりますが、第9話は余貴美子、第10話は若村麻由美と手練れの女優さんの存在感が大きく作品のできを左右し、どちらも見ごたえあるものにしていたのは流石でした。
フジテレビ 月曜21時
「嘘解きレトリック」第9話、第10話(12月2日、9日)
主演…鈴鹿央士、松本穂香
脚本…大口幸子(9)、村田こけし(10)
演出…河毛俊作(9)、岩城隆一(10)
まずは第9話。
千代(片山友希)の紹介で貴婦人の久(余貴美子)が依頼に来ます。
久の娘はかなり前に父親の反対にあった男と駆け落ちし、子を産んだものの亡くなり、その子は養子として引き取られたようで、今はどうしているか分かりません。
孫を探しているとの張り出しをしたら、2人の青年が名乗り出てどちらがホンモノかを見きわめてほしいという依頼でした。
仕事がなくて食べる物にも困っている左右馬(鈴鹿央士)はウソを見破れる鹿乃子(松本穂香)がいるので自信を持って引き受けました。
久の豪邸に招かれ、その2人と食事をすることになり、すぐに史郎(濱尾ノリタカ)という男の方がウソをついているとわかります。
となると、皐月(野村康太)という方がホンモノのようなんですが、決めてになる背守りについて久には引っ掛かるところがありました。
皐月はその絵柄をサツキの花だと言うのですが、自分が縫ってあげたように鶴の絵柄のはずだと久はいぶかるのです。
皐月に描かせたら、それは不器用な皐月の母親が久が縫った鶴に真似たものとわかりました。
余貴美子の久は堂々たる風格の貴婦人ぶりで、気品としたたかさ、そして情の濃さをのぞかせ、この回が見ごたえあるものになりました。
皐月役の野村康太は沢村一樹の息子さんですね。素直そうな好青年です。
ニセモノとわかった史郎は鹿乃子がウソを見破れるのをわかっていたようでしたが何者だったんでしょう?
演じる濱尾ノリタカは濃い顔立ちでしたが、胡散臭げで良かったですね。
第10話はこれと言った依頼もなく、事件に巻き込まれるでもない異色の回でした。
鹿乃子は初めて母親のフミ(若村麻由美)あてに探偵事務所の住所を書いた手紙を送り、
フミはその住所をたよりに、鹿乃子の様子をうかがうために訪ねてきます。
道すがらたまたま左右馬と出会い、鹿乃子の母親と察した左右馬は事務所に同行します。
この回はウソを見破ってしまう特殊能力を持つ娘とうまく関係性を持てず苦しんできたフミに、左右馬が気付きを与え、2人の関係をよくする人情話でした。
こちらもフミを若村麻由美が演じていることで派手な展開が無くてもじっくりと見れて、かつ見ごたえがありました。
役者の力ですね。
また、余貴美子の時もそうですが、先輩とからむことで、鈴鹿央士も松本穂香もうまく活かされるんですね。
そこがまたベテランのスゴいところです。
タロちゃんの鹿乃子へのサプライズクリスマスは、ウソを見抜いてシラケてしまう鹿乃子を配慮した左右馬がバラしてしまいました。
しかし、日本ではいつからクリスマスってやるようになったんですかね?
9話の評価は…7
10話の評価は…8