私めが連ドラを見て評価する時に優先しているのは、その作品ならではのテーマがちゃんと活かされているかです。
そういう意味でこのドラマでは主人公の庵野(唐沢寿明)のプライベートバンカーとしてのプロフェッショナルぶりが、ちゃんとエピソードの中に盛り込まれていて、その面の評価は高いです。
テレビ朝日 木曜21時
「プライベートバンカー」第2話
主演…唐沢寿明
脚本…小峯裕之
演出…西浦正記
前回のラストで天宮寺家の長男の努(安井順平)が何者かに階段で突き落とされるという不穏な終わり方をしたので、
話がサスペンスっぽい方に傾いたらイヤだなと危惧していましたが、全くの杞憂でした。
努を突き落とした犯人探しを命じられた庵野が、努の巧妙な愛人スキームを暴いて、愛人たちを努から切り離すというミッションを完遂するプロセスがきちんと描かれました。
当初は探偵まがいのことをしていて、こんな感じなのかと心配しましたが、愛人だった幸絵(恒松祐里)に、それは愛ではなく節税だと庵野が説明するあたりがグッと面白くなりました。
幸絵は努の自分への愛情を信じていましたが、努は資産管理会社を作り、幸絵をそこの社員にすることでお手当は給料、マンションは社宅などすべて会社の経費扱いにして、身銭を切らずに不倫をしていたのです。
そう説明してもまだ幸絵はピラティス教室をやりたい夢をかなえるために株券をくれたと努のことを疑いません。
庵野は御子柴(上杉柊平)に調べさせて、更に増資して幸絵のための別の資産管理会社を作ったかに見せて、幸絵も働いていたラウンジのホステスたちとも同様に六股不倫をしていたことをつきとめます。
意識を取り戻した努のもとへ、幸絵と他の不倫相手も押しかけ、自分たちの会社の株をすべて買い取ってくれと談判に来ます。
庵野が裏で知恵を授けたのですが、そうとは知らずに不倫を表沙汰にされたくない努は株の買い取りに応じます。
今回は投資や資産運用はリスクヘッジのため分散が大事とか、タメになる情報もかなり盛り込まれていました。
ラウンジでホステスたちに教える高額なプレゼントをSNSでひけらかすと国税庁にマークされて贈与税を取られかねない…なんてのも、へぇ~でした。
何にせよ、初回にも書いた通り、一筋縄ではいかない庵野のしたたかなクレバーさを唐沢寿明がシレッと自然体に演じていて、それが絶妙ですね。
もう1人の助手の飯田役の鈴木保奈美は出番が減って何よりでした。
今回くらいなら大丈夫な気がします。
幸絵に寄り添う感じは悪くなかったです。
あと、幸絵と対面して関係を切るように迫る努の妻・果澄(MEGUMI)の迫力はスゴかったですね。
なんであんなさえない運転手と不倫してるのかは謎でしたが…。
次回は土屋アンナ演じる長女がらみのエピソードのようで、玉木宏も出るようです。
2話の評価は…8