長谷川区長(堺正章)や黒岩議員(橋本じゅん)の前で、区長選に出ると宣戦布告した一平(香取慎吾)。
長谷川は勝負にならない相手と軽視しますが、黒岩は一平を敵に回したら怖い相手とにらんでいました。
…なので、裏から手を回して、一平がテレビ局の報道マンだった時に部下にパワハラした件を記事にさせて出させました。
フジテレビ 木曜22時
「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった」第10話
主演…香取慎吾
脚本…蛭田直美
演出…村上牧人
今回も脚本は今や私めのイチオシ脚本家とも言える蛭田直美が担当してくれました。
涙を誘う名シーンもあれば、一平のセリフには痛烈な昨今のメディアへの批判も込められたりもしていて、とても濃い内容の回でした。
後述しますが、特に今はユーチューバーになっている元部下の野上(ヘイテツ)と一平との対話は、長いシーンでしたが、いろんなことを考えさせられました。
まず、一平は選挙活動に専念するために、負傷し入院中の正助(志尊淳)の代わりにひまり(増田梨沙)や朝陽の世話をすることができず、都(冨永愛)に預かってもらうことにします。
ひまりは納得しますが、幼い朝陽は一平と離れるのを泣いて嫌がります。
お母さんもお父さんもいなくなって一平おじさんもなの?と訴える朝陽に、
一平は正助、ひまり、朝陽、一平、そして天国にいる陽菜のそれぞれ名前の頭文字を朝陽の指に書いてあげて、離れていてもいつも一緒だよと言ってあげます。
このシーン、素敵だなと思いましたね。 これを思いつく脚本家のアイデアはスゴいと思いました。
都に預けられる日に、一平の部屋に朝陽ががんばれシールをいっぱい貼っていくのもグッときました。
いい家族になりましたね。
意識が戻った正助のアドバイス通りに、一平がインスタントラーメンに生卵を乗せているのも良かったです。
そして、一平はテレビ局員時代のパワハラ問題をネットで取り上げられ、その被害者は自殺したなどといい加減な憶測が拡散もされ、炎上します。
一平本人にも記者やジャーナリスト、ユーチューバーがコメントを゙求めて殺到し、そいつらに向かい一平は痛烈なしっぺ返しをします。
きっと脚本家が、日頃メディアに対して思うところを一平に言わせているようで、よくぞ言った!と痛快でもありました。
いい加減な憶測に乗っかって、パワハラ相手は死んでる前提で質問してくるヤツは、フジテレビの中居問題記者会見で文春の記事を鵜呑みにして質問したやからのようでした。
そして、一平は窮余の策として野上と生配信で対話します。
腹を割って話せば、お互いもっと理解し合えたし、もっと選択肢があって良かったというのはなるほどなと思いました。
野上は遺族のコメントを取材することに
抵抗があったようで、遺族は再発防止の道具じゃないという言葉にはハッとさせられました。
野上を演じたヘイテツは目力があり、長いシーンを十分に保たせるしっかりした演技力でした。
期待できる逸材がまた現れましたね。
ただでは転ばぬしたたかな一平は、長谷川区長のパワハラ映像を生配信中に流しました。
生配信は大勢が見てましたから、絶大な効果がありダメージを与えましたね。
10話の評価は…8