連ドラは世相を映す鏡とも言えますが、専業主婦が絶滅危惧種とまで言われてしまう時代になってきたのかと、昭和生まれのおじさんは初回から衝撃を受けてしまいました。
TBS 火曜22時
「対岸の家事~これが、私の生きる道」第1話
主演…多部未華子
脚本…青塚美穂
演出…竹村謙太郎
原作の小説は7年前に刊行された小説ですから、専業主婦がワーママたちから攻撃され始めた頃だったのかもしれません。
ワーママが当たり前のようになってきた今、ドラマで取り上げるにふさわしい題材と言えますね。
ヒロインの詩穂(多部未華子)は夫の虎朗(一ノ瀬ワタル)が居酒屋の店長で、苺という娘ができ、2つのことを同時にできないので仕事を辞めて専業主婦になりました。
しかし、育児と家事に専念していると独り言が増え、誰とも話さない日もありました。
同じ専業主婦のママ友もできず、寂しさのあまり、子育て支援センターに行ってみますが、
話しかけてきた礼子(江口のりこ)は働くママさんで、詩穂が専業主婦と知るとたちまち距離を置かれてしまいます。
他のワーママたちに詩穂のことを「この街では絶滅危惧種」と陰口を叩いているのを詩穂は聞いてしまい気まずくなります。
そんな礼子がよりによって詩穂のマンションの隣室に引っ越してきます。
隣りとはいえ交流が無いまま2年が過ぎます。
2児を抱えて仕事も家事・育児もちゃんとやろうと頑張ってきた礼子も、いっぱいいっぱいになってしまうこともありました。
礼子の息子が鍵を持ったまま先に家に入り、オートロックで礼子は締め出され、ベランダで息子が乗り出して危ないのを、詩穂がベランダ越しに入って助けます。
礼子は熱を出した下の子を小児科に連れて行かねばならず、だったら上の子を預かりますと詩穂は申し出ます。
以前あんな酷いことを言われながら、子どもを預かったり、帰ってきた礼子に作ったカレーをおすそ分けしたり、多部未華子が演じると自然と人の良さが出て、ギスギスした江口のりこと対照的に笑顔にこちらまで癒されます。
しかし、容赦なく明日までにチェックしなければならないメールは入るわ、わがままを言う息子にキレたら泣き叫ばれるわ、詩穂にもらったカレーを床に落としてしまうわ、
礼子はプツンと心が挫けてしまい、マンションの屋上に向かいます。
異変に気づいた詩穂が後を追い、飛び降りかけた礼子を救います。
詩穂はホントは上がってはいけない所に礼子を誘い、一緒に夜景を見ます。
家事は片手間にできると思っていたがそうはいかなかったと悔いる礼子に、詩穂は家事は手を抜いてもよい、あなたが元気でいることが一番と慰めます。
これまで誰にも弱音を吐かなかった礼子は、「誰か助けて…」と泣き崩れます。
そんな礼子に詩穂は「私がいます」と言うのです。
これをきっかけに礼子をいかに詩穂はサポートするのか楽しみです。
多部未華子の陽と江口のりこの陰で対照的な2人が歩み寄るさまが見ごたえがありました。
多部未華子の菩薩顔が何とも言えずいいんですよね。
1話の評価は…8