ハウルの動く城(2004年) | 勝手に映画紹介!?

ハウルの動く城(2004年)

【鑑賞日:2004年11月20日】

宮崎駿監督、スタジオジブリの最新作「ハウルの動く城」が11月20日から公開になった。ミーハーな自分も、話題にのろうと早速、映画館へ。初日の23時半から始まる、レイトショーへ出かけていったのだが…真夜中に映画館でアニメを見る大人で、かなりの混雑になっていたのは言うまでもないでしょう。

自分が通ってるシネコンのレイトショーは通常21~22時頃スタートで、23~24時頃には終わるようになっている。初日ということもあって、その後にもう1回上映が追加されていたのだ。シネコン内に劇場が8つもあるのに…そのうち3つの劇場で、ハウルを時間差上映している。にも関わらず…毎回、満員に近い観客が入っていたそうだ。自分が行った23時半の上映は、満員にはなっていなかったが…300席以上ある客席の半分は埋まっていた。時間が遅いので、幸いにも子供づれのお客さんが入れないので…思ったより静かだったが、多少、いつものレイトショー客よりもマナーが悪いのは仕方がないか。


【ネタバレって程でもないですが、若干内容に触れる酷評してますので、読みたくない人は読まないでください】


さて、映画のほうだが…正直、あまり面白くない。あくまで個人的な感想なので許して欲しいけど、ジブリの信者は、既に大絶賛して、ネットの掲示板などで素晴らしいという感想を書きまくってるのをよく目にする。自分は、あんなに大絶賛できなかった。大人になってしまって、夢がなくなってしまったのかと思うが…前作の「千と千尋の神隠し」は、それなりに楽しめたくちだ。

一言で言うと、風呂敷を広げすぎたくせに、綺麗に折り畳めなかったからなんだけど…それは意地悪な宮崎駿の狙った演出なのかもしれない。ただ、純粋に物語を楽しみたい観客にとっては、かなり不親切な作品になってしまった。唐突に始まって、唐突に終る。バックボーンが上手く描けていないので、キャラクターや物語の世界観になかなか入り込めない。少女が90歳のお婆さんになってしまうという必然性…あの魔法は“何なんだ”“どうなったんだ”という解明も、映像表現だけで見せてしまい明確には語られていない。きっとこういうことなんだろうなってイメージはできるのだが、もし小さい子供に説明を求められたら、自分は正しく答えられないと思う。知らないうちに“愛”から“戦争”や“平和”という、いかにもなテーマにすりかわっていくのだが…結局それも消化できないまま、劇中の登場人物に「ハッピーエンド」なんて言わせて、強引に物語が終ってしまう。

1時間59分という上映時間なのだが…無理に編集で尺を縮めたような、そんな不自然ささえ、ストーリー全体から感じられる。これは、しっかり原作を読んで予習をしていかなければいけないのだろうか?観客に不親切な映画・アニメ(押井守とか)は嫌いじゃないが、宮崎アニメ、ジブリでそれをやっちゃいけないんじゃないかと。宮崎駿監督が、他人の原作を映画化すると、たいてい結末があっけなく、中途半端に感じるケースがある。自分は「魔女の宅急便」の時も同じように感じたのだが…。

いつも問題になることだが、メインキャストにプロの声優を起用しないのが特色のジブリ作品。案の定、キムタクもマスコミで騒がれてる程、ピッタリとは思わなかったし…それ以上に倍賞千恵子に無理がある。大昔に、劇場版の「機動戦士ガンダム」でアムロの母親役を演じたこともあったが…あの時も酷かった(後に、リニューアル版では池田昌子にバトンタッチしてたし)。どんなに頑張っても…さくらさんのイメージがまとわりついてしまう。そこへいくと…短い登場シーンながら、大塚明夫の存在感と迫力が凄かった!?さすがプロの声優さんだ。


監督:宮崎駿 
出演:倍賞千恵子 木村拓哉 美輪明宏 我修院達也 神木隆之介 伊崎充則 大泉洋 大塚明夫


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