タイム・リープ(1997年) | 勝手に映画紹介!?

タイム・リープ(1997年)


たまたま、近所のBOOKOFFの中古LDコーナーを物色していたら350円で発見したLDソフト。当時は定価で6000円もしていたソフトだ。「タイム・リープ 」…既にバンダイビジュアルからDVD化されているが、この値段ならLDでも充分だろう。LD自体は1枚なのに…ジャケットはダブルジャケットを採用しているのが、ちょっと拘りを感じるし…メーカーの公式サイトを見る限りDVDでは収録されていないと思われる、映像特典が付いている。

なんか持っていない映像ソフトを、レンタルビデオ並の安さで見つけると、つい購入してしまうのだが…今回は買ってまで見てみる気になったのは、この映画を撮った監督に興味を持ったからだ…そう、この映画の監督は、あの今関あきよしなのだ!今年の春頃だったと思うが、児童買春で逮捕された ロリコン映画監督その人である。オマケに師匠でもある、大林宣彦(この人も一歩間違えれば、似たような趣味ですよね…ファンの皆さんゴメンナサイ)が監修として、この作品に参加している。


“自分が書いた見覚えのない日記 それは明日からの手紙だった”


内容はタイムスリップもので…「時をかける少女」よりも更に複雑に、時間を行ったり来たりする少女のお話だ。同級生の男の子の力を借りて、このリープ現象から抜け出そうと必死になるのだが…女子高生レイプ殺人が起きたり、主人公の女の子が命を狙われたり、色々なトラブルが起こる。とにかく、劇中の主人公同様、必死に物語を追いかけていかないと、時間軸が何がなんだかわからなくなっていく。それが、演出的な狙いで、作品に緊迫感を出そうという魂胆なんだろうけど…。

主演は佐藤藍子。彼女の映画初主演作品だそうで…アフレコのセリフも妙にたどたどしい。田口トモロヲさんや、映画監督の藤田敏八監督(この映画の公開後に亡くなった)が学校の先生役などで登場する。当時は、あ~、可愛いアイドル映画だなぁくらいにしか思わなかったんだろうけど…監督があんなことしでかしてから見直すと、児童売春に走ってしまうのも納得できるかなぁって思えてきます。なんてったって、女子高生レイプ殺人ですからね。クライマックスで真相が分かった時の犯人の行動など…かなり監督の願望が入ってるのではないかと疑ってしまって、ちょっと怖い。

この映画だけ見ても、本当に佐藤藍子以外にはあまり執着していないのもわかる(おまけに、けっこう長めのシャワーシーンもありましたし)。LDジャケット内に書いてある監督自身のコメントで…“難しい物語や人間関係、テーマなんかちっとも映画で表現したいなんて思わない。ただ、まず輝く少女の表情が欲しい…(中略)…これは37歳(当時)の男性としては、ちとアブナイ、が好きだし、美しい風景の様に、あの夕焼けのノスタルジー気分のように少女達が好きだ”なんて発言してるし…自分のことを“少女表情コレクター”などとも表現している。

まぁ、こういう監督さんだったからこそ…佐藤藍子のベストの映像をフィルムに残すことができたんでしょうね。監督のことは忘れて…普通に見てるぶんには、映画としてはそんなに悪くないし…本当に“少女たち”が可愛く撮れてます。主題歌を、エヴァンゲリオンのシンジくんでお馴染み緒方恵美が唄っている。なんでかな~って思ったら、この作品のラジオドラマ版に、声優として参加していたらしい。その関係で…LDの映像特典で、今関あきよしと、緒方恵美の対談が収録されている。


監督:今関あきよし 監修:大林宣彦
出演:佐藤藍子 川岡大次郎 坂井真紀 藤田敏八 田口トモロヲ 余貴美子 つぐみ 水橋研二


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DVD タイム・リープ TIME LEAP