エレファント(2003年) | 勝手に映画紹介!?

エレファント(2003年)

2004年12月3日発売・レンタル開始の「エレファント」を鑑賞した。実際にアメリカのコロンバイン高校で起きた、有名な銃乱射事件を描いていることで話題になった作品…。

アイダホ州ポートランド。アメフト、図書館、カフェテラス、写真部、ダイエット。ごく普通の高校生たち。いつもと同じ1日だと思ってた。(劇場公開時コピーより抜粋)

お馴染みの深夜番組で、井筒和幸監督が、この作品をボロクソ貶していたのを鮮明に覚えているが、珍しく井筒さんに同意できる映画だった。同じ時間を、何度も視点を変えて編集するという複雑な時間軸の構成に、苛立ちを覚える。こんなことしなくても…普通に描いたらいいんじゃないの?1時間20分の映画なのに…最初の数分で、飽きてきて、眠くなってくる。人を殺しまくるゲームソフトの映像や、ヒトラーのドキュメンタリーフィルムを映画の中に挿入して、遠まわしに事件の責任をそういう風なもものに押し付けようとする魂胆がみえみえ。そのくせ、犯人たちの明確な動機もあやふやなまま…ただ虐めに我慢できなかったオタク少年たちの暴走の結果がコレだみたいなものしか伝わってこない…。

普段は鉄砲をバンバン撃ってるような映画だったら…どんな作品でも、ある程度は納得してしまうほど、銃好き、アクションバカな自分でも…この映画だけは正直、そういう気持ちになれなかった。「バトルロワイアル」や「キル・ビル」を貶した人たちよ…この映画を見て、面白かったなんて感想を書いてる人間の方が、よっぽど恐ろしいと思わないか?映画通を気取って、これを芸術と勘違いしてる輩が多いことに戦慄を覚える。そのくらい、酷い作品だった。

この題材を映画にするというのは、意味があると思うが…演出方法に問題あり。「バトルロワイアル」も「キル・ビル」も、この映画に比べれば害ではないと思うのだが…。それにしても、“面白い”と表現している人間の多さに、なかば飽きれた。好きか、嫌いかはあってもいいと思うが…決して“面白い”映画ではないはずだ…アメリカとは違った形で日本の若者社会がおかしくなっている証拠でしょうね。

監督:ガス・ヴァン・サント
出演: ジョン・ロビンソン アレックス・フロスト エリック・デューレン ティモシー・ボトムズ 


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