先週の読書:「天使が堕ちた街」「酔いどれ犬」 | 勝手に映画紹介!?

先週の読書:「天使が堕ちた街」「酔いどれ犬」

先週の読書:「天使が堕ちた街」「酔いどれ犬」

 

来週は…事前に予定が決まっていて、本当に短期間なんだけど、母親が治療のために入院するので、その手伝いもあり、色々とバタバタしそうなんだよね。今週末公開の映画も何本か見たいのがあるんだけど(とりあえず「オーメン」の新作を見たいんだけど、久しく見直していない昔のシリーズをおさらい鑑賞しておくかどうか迷っている)…来週の前半は特に、見に行くのが無理かな?できれば母親の入院前、公開初日に2本くらいハシゴしておきたいところだけど…こちらも当日にならなきゃ、ちょっとわからないなぁ。まぁ、なるようになるしかならんな…。

 

えーと、読書の方は、先週もなんとか2冊ほど読了しました…両方とも“積読本の整理をしていて見つけた”、樋口明雄センセイの、けっこう昔に購入した文庫本。特に、1冊なんか…現時点でAmazonのマケプレにも出品されていなかったので、もしかしたらけっこう貴重な本なのかも?なんて思ったり。Ameba Pickの仕様上、正規品が品切れで、マケプレでの扱いもないと…リンクが挿入できないんだよね。楽天の方だと…在庫がなくても、表示はできたけどね。1冊目はそんなマケプレにもない「天使が堕ちた街」という…ブレランチックなSFハードボイルドです。

 

2冊目は「酔いどれ犬」という、現代(といっても1999年が初出の作品)を舞台にしたハードボイルド、元俳優の飲んだくれ中年が探偵役を務める。同じ作者のハードボイルドでも、まったく作風が違うなぁ。ちなみに、こちらもネット書店では新品は在庫切れだったが、マケプレだと低額で出品されているものがあった。個人的には「天使が堕ちた街」も面白くてお薦めなんだけれども、マケプレでも入手困難な作品を推すのもあれなんで、比較的、古本でも入手しやすいだろう「酔いどれ犬」の方を今回の“推しの1冊”に決めたいと思う…こっちの方が万人受けはしそう。

 

 

 

2007年8月発行の樋口明雄著「天使が堕ちた街」…約17年も前の本だけど、自分もかなり前に古本で入手し、積読本の中にあったものを、最近になって発掘。いつもはここのアフィリンクはAmazonのものも併記してるんだけど、既に絶版のようで、現段階ではマケプレでも在庫切れだったので…Ameba Pickの仕様上、Amazonのリンクが追加できなかった。マケプレでも在庫切れってことは、けっこう貴重品なのかな?転売ヤーが所持してたら、すげー金額で出品しそうだな。ちょっと本当の価値を知りたいな…ちなみに日焼け、小口にシミありで状態は悪い。

 

まだGA文庫ってあるのか?ソフトバンク系列の出版社から出ているラノベレーベルなんだけれども、そこは樋口センセイなので、一般文芸作品と遜色のないボリューム。内容は映画「ブレードランナー」にインスパイアされたSFハードボイルド。“1999年の現代”で刑事をしていた主人公が…犯人の銃弾に倒れてしまうんだけれども、妻の意向もあって、医療技術が発達するであろう未来に託しコールドスリープされる。それから46年後…大きな戦争などの影響で、すっかり様変わりしてしまった未来の地球、ニューLAで、突然、目を覚ますことになった主人公。

 

“現代”とは似ても似つかない、近代化した未来社会に面食らいながら…なんとか適応していこうと奮闘する中、実は煌びやかなニューLAとは正反対、下層の人間が暮らす旧市街で進行中の陰謀に巻き込まれ、命を狙われてしまう。当面の敵はバイカー軍団を束ねるヤクザな男…この時代に主流の“プラズマガンを跳ね返す特殊な防弾スーツを着用しているので、まるでターミネーターのように不死身。主人公はひょんなことで知り合った旧市街で暮らす訳ありのハッカー少年や、謎の中国人女スパイと行動を共にしながら…この強敵や陰謀に立ち向かっていく。

 

なんか小島秀夫監督の昔のゲーム、「スナッチャー」や「ポリスノーツ」なんかの雰囲気にもちょっと似ている。46年という時代経過を背景にした主人公に関するドラマなんかは、けっこう予想通りなところもあったんだけど、世界観や細かい設定説明などちゃんとSFを読んでる気分に浸れるところが良かったですね。それこそアニメとかゲームとか何らかに形で視覚化されたものを見て見たいと思ったりもするが、17年も前の作品だからな、難しいだろうな(笑)マケプレでも在庫切れなので、かなり入手し辛いと思いますが…根気よく古書店を探してみてください。
 

 

 

2010年2月発行の樋口明雄著「酔いどれ犬」…もともとは1999年に角川書店(現・KADOKAWA)から出ていた、たぶん単行本の文庫化。かつてそこそこ売れていた役者だが、今は嫁に逃げられ、阿佐ヶ谷で細々と暮らしている飲んだくれの中年男が主人公。ある日、飲み仲間の1人が多摩川で死体になって発見される…どうやら殺しらしい。被害者は…近々閉館になる阿佐ヶ谷の名画座の支配人の息子であり、主人公は父親とも顔見知りだった。やがて、被害者の妻も行方不明になっている事実などが判明…主人公は被害者の死の真相を調べ始める。

 

やがて他所からやって来たヤクザものに目をつけられ襲われたり、行方不明だった被害者の妻から“会いたい”と接触してきたり…挙句の果てに新たな殺人事件まで発生し、どっぷり事件につかっていく。酒好きであり、喧嘩っ早く、ヤクザでも警察でも物怖じせずに掴みかかる主人公…本人は孤独を気取っているが、意外と人望もあって、周りにファンは多い。嫁も三行半を突き付けたわりには…のこのこ戻ってきて、事件に巻き込まれるしな。主人公が捻くれた性格なのは、父親がヤクザで…今も服役中、母親と妹を交通事故で無くしているというあたりに起因。

 

この主人公が背負っている過去を含む…親子の確執というのが物語に大きく影響している。憎くても、やっぱり肉親は肉親…孝行できるときにしておかないと、後悔するぞと。昔は、こういうベタなテーマには“ケッ”って思っちゃうような時期もあったけど、自分も年齢を重ねてくると、けっこう身に染みるのよね。全体的に、いい感じにグダグダしてて、しっかり渋さやカッコよさも味わえる…正統派なハードボイルドといった印象だな。派手なアクションも、意外な真実もあって、面白かったです。名画座の閉館というサブストーリーがあるので、映画に関するネタも多めだ。






 

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