「スピード・レーサー」 公式サイト
私この映画好き!
どのくらい好きかというと、初日の昼に前売り券で見に行ってあんまりおもしろかったので家に帰ってからもう一度出直してレイトショーを見てきちゃった、次のレディースデイにもこれ見るぞ~! 連続2回でもいけるぞ~!!って息巻いてるぐらい好きなわけで。
だっても~、最初っから最後までおもしろいんだもん!
ストーリーにヒネリなんかなくたって、映像でこれだけ見せてくれるんなら何も文句はありませんわ。
その映像を全編にわたってノリのよいリズムの音楽が支えてくれるので、上映時間の二時間ちょいず=っと心地よい興奮に体が包まれます。
ただしこの映画、元がタツノコアニメの「マッハGOGOGO」ですから、基本的にお子様向き。そこを押さえた上で見に行かないと(たとえば「マトリックス」的なものを期待していると)、たぶんガッカリするはず。
映画が始まった瞬間、子どもの気持ちに戻れる人じゃないと、心からは楽しめないかも。
基本的に映画の視点は10歳ぐらいの少年。
それが主人公のスピードの少年時代であったり、スピードの弟のスプライトルであったりと目まぐるしく入れ替わるが、その年頃を……たぶん20年か30年前に経験した人なら楽しめるような作品なのだと思う。
或いはその年代の男の子を可愛いと思える人なら。友達や息子、そして何より弟として。
そう、これは何より兄弟愛の物語。
お兄ちゃんが大好きな弟と、弟が可愛くてたまらないお兄ちゃん。
それは恐らく監督のウォシャウスキー兄弟自身を反映しているのでしょう。
この「スピード・レーサー」が上手くできているのは、主人公のスピードが3人兄弟の真ん中であること。長男からみれば弟だし、末っ子から見ればお兄ちゃん。兄弟監督のどちらもが感情移入してキャラクターを造形することができるスピードは、監督達二人にとっての理想のキャラだったのかもしれない。
でも笑いの部分を担当しているのは主に末っ子のスプライトル君。
「ミラクル7号」もそうだが、この子役達を可愛いと思い彼らの演技をおもしろいと思えるかどうかが映画そのものを楽しめるかどうかのカギになりそうです。
とにかく難しいことを考えず、ウォシャウスキー兄弟の映像の世界に酔いしれるのがこの映画を心底楽しむためのコツでしょう。アニメの世界に自分が入り込んだような気持ちが味わえます。