「ハイランダー」20周年を記念して制作されたアニメ「ハイランダー」のディレクターズカット版がめでたく日本公開されました。


そうか、あれからもう20年以上がたつのか……なんて感慨に浸ったりして。このシリーズ、結構好きで。主演のクリストファー・ランバートよりも脇役で出ていたショーン・コネリーの方が良かったですねえ♪


「ハイランダー」はショーンが「アンタッチャブル」で名脇役として劇的に返り咲く直前に当たるのかな? それまでは「007」の初代ジェームズ・ボンドとして有名すぎて、いろんな作品で主役を演じてもどうしてもそのイメージから抜けられずにいたみたいですが、「ハイランダー」で主役を助ける役のラミレスが非常に渋くて素敵でございました。「薔薇の名前」で若さを振り捨てて老け役を演じ、それで充分観客を魅了させることができるのを証明したのもこの頃です。


というわけで「ハイランダー」の映画に関しては、一番よく覚えているのがショーン・コネリーのパートなもので、最高におもしろかったと思っているのが彼の見せ場が多い2作目の「甦る戦士」だったりします♪ 敵役、マイケル・アイアンサイドだったし♪


映画の「ハイランダー」シリーズには

・不死人が主役(死んではまた生き返るの繰り返し)

・不死人を殺す唯一の方法は首を切断すること(その壮絶な戦いが映画の売り!)

・不死人が相手の不死人の首を切って殺した場合、相手の生命力(知識と能力付き)が自分の体に流れ込んで新たな力となる。(この効果が激しくて、大音響と共に稲妻のように光りがのたうちまわり、あちこちに派手な火花を散らしながら生き残った方の体を包むので、まるでその人に雷が落ちてるように見えます)

・その際「最後に残るは、ただ一人ィ!!」と叫ぶ

・得物は日本刀(敵の首をすっぱり素早く落とすにはこれが一番♪)

といった幾つかの「お約束」があります。


これらの「お約束」を踏襲し、「2」の後ではテレビシリーズも作られました。

これ、日本でもローカル局で放映されまして、私が見たのは第一シーズンぐらいだったと思いますが、本国では人気を博し92年から98年まで続きました。


だって主役のダンカン・マクラウドを演じたエイドリアン・ポールがかっこいいんだってばさ♪

イギリス人の父とイタリア人の母を持つダークでトールなハンサムで、元モデルでダンサーで振付師。彼の恵まれた容姿を生かし、テレビシリーズでは毎回回想シーンとしてダンカンが様々な時代で様々な衣装に身を包み活躍する場面が華やかに演出されてました。


現代のダンカンは長い黒髪を首筋のところで一まとめに結んでテイルを背中に垂らしているのが殊の外セクシーで……当然ながら、劇中で超美人な恋人がおりましたが、お似合いすぎて文句の付けようがありませんでした。


物語はこのカップルとひょんなことからダンカンが不死人であることを知って仲良くなった青年との3人を中心に進むのですが、ダンカン、何故か毎回必ず殺されてましたねー。生き返るからいいんですが、何でそんなに毎度のように油断してるのかと不思議になりましたわ。彼の首を狙う不死人の刺客には強いんですが、一般人が相手だと警戒心湧かないんでしょうか。


もちろんクライマックスは不死人同士の対決で、勝ったダンカンが「最後に残るは、ただ一人ィィ!!」と雄叫びを上げるのが決まりなのでした。声優は江原正士さんで、深みのあるいいお声にしびれたものです♪


このテレビシリーズ、第一話では映画の主役クリストファー・ランバートがそのままコナー・マクラウドとしてダンカンの元を訪ねてくるんですよね。ただしこの二人は大変仲がよいので、相手の力を狙って殺し合ったりはしないのでした。同族だしね。「ハイランダー」というのは元々「スコットランド北部の高地地方(ハイランド)の住民」のことで、マクラウド家はそこの出身という設定なのです。キルトの柄も決まっているはず。



さて、映画の「1」から「2」に渡る時点で設定に相当無理なものを持ち込んでいたのですが、テレビシリーズが続く内にどうやらその「無理な設定」はなし崩し的に「なかったこと」になってしまったようです。「2」で設定されていた未来である1999年(昔はノストラダムスの大予言が結構信じられていて、この年に恐怖の大王がふってきて世界は滅亡すると思われていた)も過ぎ去り過去になってしまうと、あれは別の世界の話だったとしてパラレルワーールドで対処するしかないですもんね。


映画の「3」は見たんだかどうかさえ覚えていませんが、2000年に北米で公開された「4」は日本公開がなかったのでビデオ発売されてレンタルになるのを待って見たものです。これ、コナーとダンカンが共演してたはずなんですが、覚えているのは折角ドニー・イェンが出てるのに彼にふさわしい見せ場が全然なくて不満だったことだけなんですよねー。首狩りをするにも異種格闘技戦になってたあたりに時代を感じたような気がする。



こういう歴史を経て制作された「ハイランダー~ディレクターズカット版~」、それも「バンパイアハンターD」の川尻監督が手がけたとあっては、見なけりゃいけないって気にもなるってわけで……。ファンって忠実な生き物です。哀しい。