だよね
その人に変わって俳優さんが誰だったか見当をつけるのとか得意ですけど……そんなんでもいいんでしょうか?
映画ファンのお友達もちょっと年齢が上がってくると物忘れが始まって、映画の話をしていても主演俳優の名前が出てこないとか、或いは俳優の名前は覚えているのにその人の出演した作品の名前が思い出せないとかは、もうザラ。
「ホラ、あの人よ、誰だっけ、あの作品に出てたあの人なんだけど、え~と……」
みたいな感じになるとすかさず私が話の前後から推測して
「この俳優さんでしょう」
とか
「それはあの作品ね」
とか名前やタイトルをあげるんですよ。
すると運が良ければ1回目で、悪くても何回か繰り返す内に
「そうそう、それよ。あなたよく分かるわね~」
とホメられれたりして。
幾つになってもほめられるのは嬉しいので、お互いにとって大変良い関係が築けたものです。
あとは映画関係だと、お友達からこの作品のテーマがどうしても分からないんだけど、という質問をされることもよくあります。
最近だと「告発のとき」で、これは原題が「イラの谷」というんですが、この原題の意味がどうしても分からないと言われました。
(このあとちょっとネタバレかも)
「イラの谷」についてはこの映画の中でちゃんと語られるんですが、ダビデがゴリアテを斃した戦地の名前なんですよね。
この映画の中で最も大事と思われるセリフはさらっと語られてしまうので聞き逃す(或いは字幕を読み逃す)人もいるかもしれませんが
「王様はどうしてダビデを行かせたの?」
です。
王様がダビデを行かせた場所がイラの谷であり、すなわち激戦が繰り広げられている前線です。
そんなひどい所にどうして王様はダビデのようないたいけな少年をたった一人で行かせたのか。
それは問いであると同時に非難でもあります。
これ、映画を見れば分かりますが、ブッシュ大統領のイラク派兵への批判になってるんですよ。
で、それが分からなければ映画を見ても
「どうしてこんなヒドイことが!」
で終わってしまう。
映画全体が何の意味もなさなくなるのです。
でも逆にそれ一つを理解する事によって、映画が全然違った姿で再び立ち現れるんですよね。
お友達は私の
「王様はどうしてダビデを行かせたの?」
というヒントでぱっと理解に至ったので、大変喜んでおりました。
映画って些細と思われるシーンやセリフでも飛ばしちゃいけないんですよ。
とまあ、そんなことぐらいでしょうかね。