ブログネタ:結婚式どこであげた?あげたい?
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その名は昆明。
残念ながら本物の結婚式ではなかったので花婿はいなかったけれど、ショーで本物のウェディングドレスを着た。純白で、長いレースのベールがついている、まさに私が憧れたそのままのウェディングドレス。
定番通り、白とグリーンだけで構成された大きなブーケを持ち、舞台を歩く私。
その前にはフラワーボーイが二人(ガールがいなかったのよ)花びらを懸命な目つきでまき散らし、後ろには長いベールが引きずらないよう捧げ持つブライドメイド。
観客席では大勢の人が私の姿に歓声をあげる。
私の夢見た結婚式がそこにあった。
(少女の夢見る「結婚式」の花婿なんて夢のようなものだから、存在なんかどうでもいいんである)
それは、決してかなうはずがないと思っていた夢でもあった。
自分の理想通りのドレス、理想通りのブーケ、大きな会場に一杯のお客様。その全員が私の姿を賛嘆して眺めている。
自分一人の力では、金銭的に絶対に不可能な結婚式なのである。親に頼んだってそんなお金はない。子どもの頃から憧れると同時に、自分で自分に無理だと言い聞かせ、心の奥底に眠らせ、葬ったはずの夢だったのだ。
でも、それが今、現実になった。
本物の結婚式ではないけれど、私が結婚式に望んだもの全てがそこにある。
人間、何かのために一生懸命努力していれば、いつか思わぬ形で夢が実現するチャンスが巡ってくるんだな……舞台の上でスポットライトを浴びながら私はそう思っていた。
一生に一度だけのチャンス。
それが巡ってきたなら、逃さず捕まえなくては。
あの時ああしていれば……という後悔だけはしたくない。
その時はっきりと私は自分の生きていく方向が見えたのである。