ブログネタ:音楽と映像、どっちが好き?
参加中
本文はここから
映像なしで音楽を聴くのは全く問題ないけれど、音楽がなくて映像だけというのは、見ていてかなりキツイ気がします。映画には昔サイレントといって音のでないフィルムだけのものがありましたが(セリフはシーンとシーンの間に書いた物が出る)、劇場にかけられる際には楽団がついて場面に合うメロディーをかき鳴らしたりしてたんですよね。日本では弁士といって、舶来の映画のセリフを登場人物に代わって日本語で語る専従の人がおりました。
百聞は一見に如かずといいますが、しかし人間の感情の流れは音として伝わる方が心に直接感じやすいと思います。
よくテレビをつけっぱなしにして「ながら」作業をする等と言いますが、その時人間、目の方は「作業」の方に向いてるはずなんですよ。情報は耳で追っていて、耳をそばだてるような状況が生じた時にふと目を上げて映像をチェックする場合がほとんどなんじゃないでしょうか。
その「状況の変化」が何故わかるかというと、セリフ回しや声のトーンの微妙な変化を聞き分ける場合もありますが、ドラマや映画ですと急にBGMが流れ始めたり、或いは突然曲の調子が変わった事に気づいたりするからなんですよね。
スポーツだって観客の歓声が急に大きくなったり、お相撲だと行司さんの声の調子で取り組みがどんな様子かわかったり、そうやって耳でチェックしてて重要な場面だけ目を上げて見たりします。ただしこれをやってるとサッカーの得点シーンにはまず絶対に間に合いませんが。
音楽ではありませんが、効果音というのもまた重要です。
例えば音のない爆発シーンやカークラッシュのシーンって、つまんないですよ~。不謹慎な言い方ですが、盛り上がりに欠けます。戦争映画と、実際の戦闘場面をニュースで見た時の差というのは、銃声の迫力の違いですから。現実の銃声は、パンパンと乾いた音がパラパラと聞こえてくるだけです。
映画はフィクションですから、ドラマを盛り上げるため銃声さえもドラマチックです。
よくできた映画のサントラは、その場面の全てを音で表現しています。
だから、映画を見る前にサントラを聞くだけで、ラストがどんな展開になるのか実はわかっちゃうこともあるのです。それはまあ、ハンス・ジマーとか、ハリウッドでも大物クラスの作曲家が手がけた場合ですけどね。ストーリーにのっとって作曲し、自分で振ってもいるので、本当にダイナミックに登場人物達の動きが伝わって来るのですよ。
でも映画を見る前にストーリーに見当がついてしまってはつまらないので、事前にサントラだけで聞くのはもうやめました。
逆に、これは映画が大ヒットしたあとですが、「ロード・オブ・ザ・リング」コンサートといって、作曲家のハワード・ショアさんが来日して振った「ロード」のサントラのオーケストラ演奏を聴いたことがあるのですが、これはこれで映像がないと物足りなかった覚えがあります。ハワードショアさんの場合は完全に映像をメインにして曲をつけていて、自分の音楽はあくまで「従」としてとらえているのでしょうね。
コンサートの聴衆の方はほとんどが映画「ロード」のファンで、曲を聴けば壮大な映像が脳裏によみがえるよう反射づけられていますので、それが現実に眼前にない事にとちょっと欲求不満を感じたのかもしれません。
一口に映画音楽といっても、作曲家によってテーマの作り方、BGMの付け方は千差万別なのだと思います。
まあ、なんであれ、私にとっては映画が一番ということで。