「フライング・ラビッツ」(公式サイト


亀の話が出たんで、次は兎って事で(←何がだ!)


え~、普段であればこの手の映画はタダでも見ないんですが、今回タダだったのに加えて予告編で見たらバスケット・ボールにチャレンジする元合気道娘という話のように思えたんで、武道の方についつられてしまいまして……。


映画が始まってまもなく思ったのが

「ヒロインやっぱり顔丸い!」

ということ。「やっぱり」というのは「おろち」のおろちが丸顔だったのがとても印象に残っていたもので。


ほら、普段洋画ばっかり見ているから、主役級の女優で丸顔ってあんまりいないんですよ。だから珍しかったのね、きっと。


ところが「フライングラビッツ」見てると、出てくる可愛い女の子達が揃いも揃って皆丸顔なのよね。ねーなんで?


これは誰かの趣味なのでしょうか? それとも日本人って丸顔なのか? そういえば「HEROES」のヒロ君(マシ・オカ)も丸顔だったよ。あるいは若くて溌剌としてるから、みんなほっぺがふくよかなのかな(ポニョじゃあるまいし)。


それで彼女らが打ち込んでいるのがバスケット・ボールなもんで、なんかもー、スクリーンのどこを見ても丸いというか……他の邦画も見たけど、異様に丸顔率高いよ、これ。


その他気づいて嬉しかったのが「サラリーマンNEO 」の厚姫とアレクサンドリーネが出てたことですね~♪ 


特にアレクサンドリーネの岸瀬美智子さんがバスケット・ボールのユニフォーム姿でショートヘアも凛々しくコートに立った姿は最高で、私がもしレズだったら彼女にイチコロで参ったに違いない程の男前っぷりでした。ええ、この映画で一番の見所は彼女のユニフォーム姿ですとも!(ちなみに彼女は丸顔ではない)



えー、作品については、とても上手にまとめられていたと思うんですよ。

ただ、あまりにも綺麗にまとめられすぎていて、うっかり「可もなく不可もなく」と間違えてしまいそうなんですね。心にひっかかりとなって残る部分が何もないので、見終わったら「あーよかった」で終わってそれでおしまいみたいな作品なんです。



で、まとまりはいいんですけど、誰が何を伝えたいのか全く分からない。


さらに観客の対象がどこにあるのかも分からない。


これは一人の若い女性がバスケットボールと仕事(キャビン・アテンダント)を通じて成長する物語なので、当然若い女性をターゲットにしてると思うでしょ?


でもどう考えても何かが間違ってるんだな。


何故なら、若くていい男が誰一人として出てこない。


渋くて味のある中年はいっぱい出てましたが。


でも、若い女性の観客を呼ぼうと思ったらさ、もっと華のある美青年をカメオでもいいから登場させなきゃダメでしょー。女が女見てたって何の喜びもないんだっつーの(あ、マシな男がいなかったせいでアレクサンドリーネのユニフォーム姿に転びそうになったのか)。


配給が東映なんだからさー、仮面ライダーあたりから水嶋ヒロ君なり佐藤健くんなり引っ張ってくればよかったんじゃないのー?


若い女子だって若い男ばかりが好みなわけじゃなく、素敵なおじ様に憧れるタイプも無論いますよ。

でもそれで哀川翔(ヒロインの父親役)だと、ちょっと中途半端じゃないすか?

美青年もいなければ美中年も美初老もいないって、どういうこと? ってか、男優さん達全体的に「男は顔じゃねえ、○○だ!(○○は任意)」で勝負に出そうな野獣系ばっかりだったんですけど。

おかげで高田純次が何故かいい男に見えて、私我が目を疑いましたわ(でも確かにテレビに出ている時よりずっとよかったです)。


この、女は丸顔で男は野獣系でほぼ統一したキャスト、まずこれを何とかするべきだったんじゃないでしょーか?



期待していた合気道のシーンも少なくて、ちょっとガッカリ。予告で見たシーンが本編からはカットされていたのだと思います。



それなりにまとまりがよくて映画らしい映画だっただけに、ものすごく残念なものを感じてしまった一本でした。見ている間は少なくとも退屈することなく楽しめましたしね。


でも映画はまず、人を「見よう」という気にさせることから勝負が始まってますから。

そこんとこで完全に出遅れちゃった作品という気がします。

ああ、もったいない!