「 P.S.アイラヴユー」(公式サイト )
始めにお断りしておきます。
恋愛ものは、コメディでない限り、私が見る映画の守備範囲ではありません。
私が見るのは主として特撮(CGI)を目一杯使用する類の作品なんです。
だからこの作品のようにストレートに愛を訴えるような作品に対して自分がどう対処してよいのかわからない。なんつーか、ヒロインに対して全く感情移入できないのである。恋愛問題に悩んでいるヒロインの頭の中など、アホらしくて見たくもないというのが本心です。
それでもロマンチック映画を見に行く理由はただ一つ、出演している俳優が大好きな場合。その彼を見たいがため、2時間にわたる退屈な物語を歯を食いしばって耐える事もしばしばだったりして。
そういう意味では「P.S.アイラヴユー」はお得な一本でした。
私の大好きなジェリーさんことジェラルド・バトラーが生まれついてのセクシーさを全て映画の中で見せてくれていたもの。歌うわ、踊るわ、脱ぐわ(え?)、見つめるわ、ジョークを言うわ、たまりませんっっ!!
あんな人が現実に私の目の前にいたら、間違いなくその場でメロメロになって立っていられなくなるわ。セクスィー部長なんて、目じゃないです。ジェリーさん、素敵! よっ、ハリウッド一酒池肉林の似合う男!!(←あくまでイメージ)
この方は、「ありえない程魅力的な男」を演じさせるとピカ一なのです。どちらかというと「ありえない」側に重心がありますが。
だって、私が最初にクラクラしたのが「ドラキュリア」のタイトルロール。吸血鬼という設定だけでもセクシーなのに(私はクリストファー・リーのドラキュラのファン)、彼が女性に及ぼす影響力の絶大なこと! 彼になら、誰でもすすんで血を吸われに行っちゃいますって~♪ ジェリーさん、完全にヒーロー(一応ハンサム)を食ってました。ラストではもう、泣かされちゃって……(←恋愛映画で泣かず、ホラーで泣くヤツ)。
「サラマンダー」や「タイムライン」では、割と普通に魅力的な男でした。脇役という事もありますが、やはり彼に「普通の男」は役不足なのですね。クリスチャン・ベールはともかく(この人も普通じゃないから)、ポール・ウォーカー(この人は普通)は完全にジェリーさんに食われてましたよ。
そして日本中の女性を虜にし、紅涙を絞らせたのが「オペラ座の怪人」のファントム! 名前からして「ファントム」ですから、ほとんどこの世の存在じゃありませんわ。このファントムも「ありえない」ので、超絶セクシーな登場シーンから哀れな姿のラストまで女心をとろかし続けてくれたものです。
「300」。これは女というより男にそのあり得ない魅力を見せつけた逸品。現実離れして強く雄々しいレオニダス王のあの割れた腹と鋭い目に全世界が痺れました。
「幸せの1ページ」は子ども向けのファンタジー。だから彼が二役演じた内、現実の存在である父親も理想化されたものだし、もう一人の冒険家はそれこそヒロインの目にしか見えない架空の存在。もちろん「ありえない」冒険家の方が無闇矢鱈とかっこいいのは言うまでもありません。
んで、「 P.S.アイラヴユー」では生きている内からあり得ないほど理想的な夫なのだけど、ほとんどが未亡人の回想と幻想なもんで徹底的に美化されて出てくるのね。まさにジェリーさんの魅力の本質を完全に理解した上で作られた作品といえましょうか。
その、この世のものとは思えぬほど理想的でセクシーな魅力に満ちた夫にのっけからぶーぶー文句を垂れてる妻(ヒラリー・スワンク)を見て、私がどれだけむっとした事か! 自分が信じられない程幸運な女であることに気づいてない時点で、私はこのホリーというヒロインにダメ女の烙印押しちゃいましたね。えー、もちろん嫉妬99%です。私だったらジェリーさんが夫だったら、その幸運を毎日天に感謝しちゃうわよ。
しかもこの夫が妻一筋、ベタ惚れもいい所なんです。
ジェラルド・バトラーがヒラリー・スワンクにだよ?!
許せんわっ!!(←落ち着け)
あ~りえないでしょ~お?!(←だから落ち着け)
私ヒラリー・スワンクは別に嫌いじゃないんだけど、でもこの映画に関してはちょっぴりミスキャストではなかったかという気がします。
彼女の演技は素晴らしいんです。ジェリーさん(役名もジェリー)に恋心を抱き始めるシーンなんて、ほんとに初々しくて可愛らしく、見ているこちらにまで初恋のドキドキが伝わってときめきを覚える程ですよ(そりゃ相手がジェリーさんだもん♪)。
でもこの映画ではヒロインはほとんどの場面において自分が何をしたいんだかよく分かってないんですよね。あの意志の強い顎をしたヒラリー・スワンクが、そんな甘ちゃんなワケないじゃない。それが見ている間中、ず~~~っと違和感となって残るもんで、素直に映画に入れないんですよ。
ヒラリー・スワンクは実はサラ・ジェシカ・パーカー並にスタイルがよくて、可愛い服を着ても抜群に似合うんです。友達役がリサ・クードローにジーナ・ガーションだから、3人で歩いているとまるで「セックス・アンド・ザ・シティー」のサマンサ抜きって感じでした。
けれども、何故か脇役の女性も男性も顔の左右のバランスが著しく違う人ばかりなんで、美しさを感じられないんですよね。一体これは何を考えたキャスティングなのかと疑問に思えてしまったりして。その分、あまり美女とは言えないヒラリー・スワンクが大変可愛らしく見えるので、それが狙いだったのでしょうか???
でもヒラリー・スワンクがどれ程がんばろうと、この映画の見所はジェラルド・バトラー。
ジェリーさん以外に見るものはないと言っても過言ではないです、この作品。