先日FOXの試写会で「デクスター ~警察官は殺人鬼」のシーズン3の第一話と第二話を見たことはこちらの記事 でも書きましたが、その時感じた私の恐怖がどんなものかを如実に語っているマンガが昨日の朝日新聞の夕刊に掲載されてました。まさに「百聞は一見に如かず」。



Who killed Cock Robin?

これ、この3コマ目。まさに子どもが泣き出すような恐怖。

しりあがり寿さん、ひょっとして「デクスター」見てますか?



ま、それはおいといて、デクスターを演じているマイケル・C・ホールさんは口をきりりと引き結んでいれば男前ですので当然それなりに女性関係もあるわけです。


Who killed Cock Robin?
デクスター・モーガン氏近影


シーズン3を見るに当たって、シーズン2全体を振り返る短い総集編的映像が流れたのですが、そこに出てきた当時のデクスターの恋人(?)ライラ、現在の恋人リタ、彼を慕っている義妹のデボラ、彼女達が三人三様の美女でしかもタイプが全然違うのには感心してしまいます。


義妹のデボラを演じているのはどこかで見た……と思っていたら映画の「エミリー・ローズ」でタイトル・ロールを演じていたジェニファー・カーペンターでした。衣装とと髪の色と髪型が違ってるとまるで別人……。

「デクスター」での彼女は殺人課の刑事という役柄上、髪もダークで、シーズン3からはストレートで短いボブ。背の高い体には余分な脂肪などついてなさそうで、スレンダーな体によく似合うパンツスタイルが決まってました。


このデボラ、特徴が「口汚い」ことらしく、当然それを遺憾なく発揮しているシーンもあるのですが、その字幕で読んでさえのあまりの口汚さに、思わず彼女の口に石鹸つっこんでゴシゴシ洗ってやりたくなりましたよ。原語ではどれだけヒドイこと言ってるんだか。


この彼女の「口汚さ」というのはちょっと不思議です。

というのも、彼女の外見からは日常的に口汚い言葉で罵られる家庭で育った荒んだ雰囲気が伺えないからです。努力家で教養も高く、それなりに良い家庭で育ったであろうマナーを身につけた振る舞いをするスリムな美人の彼女からそんな汚い言葉がマシンガントークでばばばばっと繰り出されるのは、一種の衝撃でさえありますよ。


たとえばロブ・ゾンビ監督による「ハロウィン」等を見ると、そこでは女性であっても日常的に汚い言葉で物を言う家庭というものが描写されていて、そこに暮らしている人達ならそういう言葉使いは全然変には見えないんですよ。それはもちろん女優さんが演技でそういう雰囲気を醸し出しているからですね。


ところがデボラからは汚い言葉を日常的に使う荒廃した精神性は感じられない。それは演じているジェニファーが下手だからではなく、敢えてそのギャップを視聴者に見せようとしているからこそ不自然さを感じるわけです。


デボラの義兄であるデクスターが肉食獣の本性を普段は見せないように振る舞っているのとは逆に、デボラは自分の本質とは違う何かを演じるために汚い言葉使いを身につけたのではないでしょうか?


デボラの実父でありデクスターの養父であるハリー・モーガンはシーズン3ではすでに亡くなっていますが、それでもデボラやデクスターのセリフのはしばしから彼が父親として多大なる影響力を子ども達に対して及ぼしていたことは伺い知れます。


デボラが父親と同じ職業についていることや、彼女の体つきや服装を見ると、彼女は恐らく自分の上に父親の影を重ね、父親であるハリーのようになりたいと思っているのでしょう。


彼女がハリーになるのにあたり、もっとも大きい障壁は彼女が女であること。だってハリーは男ですから。どうあがいても女であるデボラが男であるハリーになりかわることはできない。


そういう時、女性は自分の女性性をどこかで否定する行動に出るんですね。

それは例えば女性の象徴であるスカートをはかないとか、女性的な丸みが体のラインに出ないように脂肪をおとして体を鍛えるとか、或いはもっと積極的に男性的な行動を取るとか、さまざまです。


デボラの場合、その積極的に男性的な行動を取るという部分が男顔負けの汚い言葉使いという面に突出して出ているのではないでしょうか。警察という男社会で男に負けず働くために強化された部分もありそうですが。


デボラはずっと義兄のデクスターを慕っているのに、デクスターにとっては妹でしかなくて、父の亡き今彼女と義兄をつなぐものは亡父の思い出しかないわけで、それもあって無意識に自分に父の影を重ねてしまっている部分がありそうです。見ている内にそういう彼女がいじらしく、可愛くなってきます。



そのデボラと対照的なのがデクスターの現在の恋人、リタ。

彼女はとても美人で長い金髪で、裸じゃない時は常にスカートかワンピース。

決して太っているわけではないのに、彼女が身動きする時には何故かいつも脂肪がゆらゆら、ゆさゆさ揺れているイメージがつきまといます(胸だけじゃないのよ、全体的に)。

二児の母でもある彼女ですが、母性というより女性性の権化として描かれているのがスゴイというか。


女手一つで男の子と女の子を育てているので気丈な面もあります。デボラは気が強いワリにどこかに脆さを秘めている感じなんですが、リタは気丈でしかも粘り強い感じで、性格的にも好対照をなしているのですよ。


ドラマ上ではシーズン3で深くデクスターに関わってくるのはリタのようなので、これ以上はちょっとネタバレになりそうなので書きませんが、自分が女であることに心底満足している女性って、彼女みたいな人かもしれないとちょっと思いました。


リタを演じたジュリー・ベンツ、この美人さんは絶対どこかで見たことあると思っていたら、「ロズウェル」に出てきたFBI捜査官でしたね(確か非業の最期を遂げたような……)。映画では「ランボー4」とか「ソウⅤ」とか……なんかいつもひどい目にあってそーな役が多いのは何故? 「デクスター」でも最初は暴力亭主に悩んでた妻だったそうだし。

そういうのって、昔は「薄幸の美女」って言われたものだけど、彼女の場合気丈で粘り強い印象があるから「打たれ強い美女」なのかしら? マリア・ベロさんに雰囲気が似ているけれどどこか決定的に違う部分があってそれはどこだろうと思っていたのだけれど、これだな。マリア・ベロは「打たれたら打ち返す美女」だけど、ジュリー・ベンツは「打たれ強いが打ち返さない美女」なのよ、うん。




さて、残る一人、ライラは本当に短い時間しか見ていないけれど、彼女とデボラ&リタとの相違点は普通じゃないところ。デボラやリタは完全に「普通」の範疇におさまっているけれど、ライラって一目見た瞬間から普通じゃない顔つきをしてるんです。どこか、逸脱した雰囲気がある。


と思ってたらやっぱり、でした。第二シーズンを見てない方のために以下黙秘。


ライラ役のジェイミー・マレー嬢、一見「ロード・オブ・ザ・リング」でアルウェンを演じたリブ・タイラーに似ている長い黒髪の美女なのですが、神秘性はあってもアルウェンのような神聖なものは感じられないんですね。その神秘は人には言えない秘密を抱えた心の内面から滲み出てくる隠そうとしても隠せない異常性に起因するのでしょう。

ちょっとだけ強い目の光とか、ちょっとだけ人と違う喜びの対象とか、そういう細かい演技でライラの異常性を垣間見せていたジェイミー嬢の演技力、立派でした(第二シーズン、見たくなったぞ~!)



主役の演技もさることながら、脇役の演技も素晴らしい「デクスター ~警察官は殺人鬼」。


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シーズン3の一挙放送は5月2日です♪

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 5月2日(土)12:00 FOXCRIMEチャンネルでスタート!

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(※)シーズン1コンプリートBOX:10,290円(税込)
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