シネマトゥデイ より (以下抜粋)


日本では野球映画『ROOKIES -卒業-』が大ヒットを記録している今、ハリウッドから皮肉なニュースが届いた。スティーヴン・ソダーバーグ監督がメガホンを取り、ブラッド・ピットが主演を務めることで期待されていた新作映画『マネー・ボール』(原題)が、撮影開始3日前で製作中止が決まったことが明らかになった。


 撮影開始直前に製作中止が決まるのはとても珍しいことで、中止の理由は、製作するコロンビア・ピクチャーズの会長であるエイミー・パスカルが同作の脚本の出来に満足できなかったからであると、ハリウッド・レポーター紙が伝えている。


 同作は、マイケル・ルイスのベストセラー・ノンフィクション小説「マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男」を映画化するもので、原作小説の大ファンでもあるパスカル会長は同作の製作が決まってから大幅に変更された脚本が気に入らなかったようだ。脚本は『シンドラーのリスト』のスティーヴン・ザイリアンがドラフトを執筆し、スティーヴン監督が脚本を手掛けていた。


 映画は、貧乏メジャーリーグチームがどのようにして輝かしい戦績を残したのか、MLBの元外野手でオークランド・アスレチックスのGMに就任したビリー・ビーンの見事な手腕を描く予定だった。実話を基にした映画のため、有名スターはブラッドのほかコメディアンのデメトリ・マーティンが出演し、あとは実在の野球選手が出演する予定で、すでにスティーヴン監督は有名選手とのインタビューなど本編中に挿入する映像を撮っていた。


 一部報道では、コロンビアは脚本のほかに野球映画はヒットしづらいという理由で製作中止を決めたのではといわれているが、今後スティーヴン監督とコロンビアとの間で話し合いが上手くいかなければ、ブラッドも降板し、製作も完全に中止されるだろう