「ナイト・ミュージアム2」公式サイト


音楽がアラン・シルベストリなもんであの壮大なコーラスの「ヴァン・ヘルシング」を思い浮かべるシーンやら、古代エジプトのファラオが出てくるもんで「ハムナプトラ」を連想したりと、何かとソマーズ監督が思い出される映画なんですが、ソマーズ監督の方は現在「G.I.ジョー」が公開中なのよね(音楽はやっぱりアラン・シルベストリ)。


ワタクシ、個人的に「ジョナス・ブラザーズ」が出てきたシーンで大受けいたしました。も~、あれはたまらん! ディズニーじゃなくても出るのね~。どこのシーンかはとりあえずナイショ。でも三兄弟の美し~いコーラスが楽しめるのもこの映画の醍醐味ではないかと。


今回、舞台がスミソニアン博物館なんですが、ここって「トランスフォーマー・リベンジ」ではジェットファイアが余生を送っていたところですよね。映画とはいえ二度も部外者に安々と侵入を許しちゃって、ここの警備、大丈夫なんでしょうか。


「ナイト・ミュージアム」を楽しめた人にとっては、これは本当に満足できるよくできた続編でしょう。ラリーにこうなってほしい、と観客が思っていたことがきちんと実現されています。他のおなじみのキャラクター達もそれぞれ見せ場を貰っているし、新しく出てきたキャラクターも……全員エキセントリックな性格付けはされているものの、「きっとこうあるべき」から「こうであって欲しい」、という観客の求める姿の中におさまっているのではないかと思います。アメリカのね。


というのは今回、アメリカでは超有名でも日本人にはちょっと馴染みが薄いかな、みたいなキャラが出てきていたので。一人はアメリア・エアハート で一人はカスター将軍 。どちらもマンガみたいな性格に描かれて子どもにも親しみやすい雰囲気になっておりました。


特にアメリアは本当にキュート!

この女性がアメリカで国民的人気を得ている理由が如実に示されているシーンがあって、さりげなく描かれているんですけれど感動的なんですよね。


演じているのはエイミー・アダムスで、つい先日見た「サンシャイン・クリーニング」の役どころとはまるで違うしっかりした女性の役――のはずなんだけど、彼女が演じるとどこか片足地についてない感じが漂ってしまうんですよね♪ アメリアの場合はパイロットだから、文字通り地につかない分の足は空を飛びたがっているわけだけど、でも彼女のファンタジックな持ち味は充分生かされていて、最後の最後まで観客に夢を与えてくれました。



さて、ベン・スティラー。主役はもちろん彼なんですが、今回はひたすら他のキャストの引き立て役に徹してた感じですね。もちろん彼の見せ場もたくさんあるんですが、去年「トロピック・サンダー」で見せてくれたような傲慢で尊大で自惚れやで自分大好きというキャラ設定はアメリアやカスターやその他悪役の皆様に譲り渡し、仕事熱心で息子思いで友達に忠実なラリーになりきっておりました。うん、そんな人物になっちゃったから面白みが足りないんだよ、というのはおいといて、ファミリー映画として理想の父親像を一つ作り上げてました(それが理想の夫像と一致するかどうかは別問題ですが)。


子どもにとって「パパがこんな人だったらいいな」と思わせてくれる父親像、それがラリーです。父親が自分で考える理想の父親像とは違うんですよね。人間らしい生き方とは何か、幸せとは何かを追求してラリーが最後に選んだ生き方は最高だと思います。


これはファミリー向けのコメディーとしては珠玉の一本なのではないでしょうか。