東京・お台場に18メートルの実物大立像が登場し、この夏 の話題をさらった「機動戦士ガンダム」。作品誕生30周年を記念して、6月27日からは劇場版3部作が再上映されていたが、その続編となる「機動戦士Zガ ンダム」劇場版3部作および「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」が、9月26日より東京・新宿ピカデリー、大阪・なんばパークスシネマ、福岡中州大洋など 全国5大都市の劇場で上映されることが決まった。
「Zガンダム」は、第1作「機動戦士ガンダム」(ファーストガンダム)の続編として85年から86年にかけて全50話がTV放映。20年を経た05 年から06年に、新たな解釈を取り入れた「新訳」として、TV版とは展開や結末が異なる劇場版3部作「機動戦士Zガンダム A New Translation/星を継ぐ者」「機動戦士ZガンダムII A New Translation/恋人たち」「機動戦士ZガンダムIII A New Translation/星の鼓動は愛」が製作、公開された。また、「逆襲のシャア」はシリーズ初の完全オリジナル劇場用作品として88年に公開されたも の。今回の再上映は、ファーストガンダム劇場3部作と同様、HDリマスター版を使ったDLP上映となり、従来よりもハイクオリティな映像を楽しむことがで きる。
ファーストガンダムおよび「Z」「逆襲のシャア」は、いずれもガンダムの生みの親である富野由悠季が原作・監督を務め、ファーストガンダムの主人公 アムロ・レイと宿敵シャア・アズナブルが登場する「宇宙世紀」を舞台とした作品。今年再上映される劇場版計7作品を通して、アムロとシャアの物語の始まり から結末までを見届けることができる。
「ガンダム」シリーズは今後、「逆襲のシャア」の3年後を舞台とした「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」が、10年春から1話50分のOVA全 6巻がリリースされる予定で、一連の劇場版から物語はさらに続くことになる。また、「宇宙世紀」とは異なる世界観で、シリーズで初めて現実世界と同じ「西 暦」を用いた「機動戦士ガンダム00(ダブルオー)」も、10年に劇場版の公開が決まっている。
お台場の実物大ガンダム立像は8月いっぱいで公開終了となるが、ガンダム30周年の盛り上がりは秋以降もまだまだ続きそうだ。
関東地方、台風が接近しておりますが、お台場のガンダムは大丈夫なのでしょか。
台風じゃありませんが、コロニー育ちの人々(連邦もジオンも)が地球に来て初めて雷に遭遇した時、それが自然現象と理解できず敵の攻撃じゃないかと脅える描写がガンダムにはありました。そのシーン見た時、富野監督は本当に天才だと思いましたよ。案外生まれて初めて雷を経験した幼子がそばにいたのかもしれませんが、それを「コロニー生まれで地球の自然現象を体験したことのない人」に広げて考えるなんて普通じゃできません。さらにすごいのは、その自然現象を「体験」ではなく「知識」として知っている人を登場させ、その人に「これが話に聞く雷というものか」と言わせたことですね。その知識を使って雷は脅威ではないことを周囲の人に伝え、脅える必要はないと説得するのです。
まるで神話のようです。
天界から火を奪ったプロメテウスが人々に「火」の有用性と危険でない取り扱い方を教えた時ってこんなだったんじゃないかと思いました(神話の上の話ですが)。
富野監督は2~3千年前に生まれていたら、きっと語り部か吟遊詩人となって現代まで語り継がれる神話を紡ぎ出していたことでしょう。ホメロスのようにね。
だから私たちは今、今後長く語り伝えられる「ガンダム」という名の神話ができあがっている過程に立ち会っているのかもしれません。
新たな神話はきっと言葉だけではなくアニメという映像で受け継がれていくのでしょう。この先何十年、何百年も、きっと。