ラブプラスが彼女を怒らせる構造
■新作ギャルゲーが売り切れ続出 最近、インターネット上でラブプラスというニンテンドーDS(以下DS)..........≪続きを読む≫
このアメーバニュースによればの話ですが、最近人気の男性向け恋愛シミュレーションゲームは過去に出た飼い犬愛玩ゲームと構造的に似ていて、そのその共通点とは彼女も犬も「可愛い」という点にあるんだそうです。

あんたら男にとって女の可愛さは愛玩犬の可愛さと同レベルなのかよ?!

このアメーバニュースの書き手さんはこれを受け狙いではなく大まじめに論じているので、たぶん本気でそう思っているのでしょうが、それを読んだ女性が激怒するとは露ほども考えてないのがご本人が心の底から「彼女の可愛がり方と犬の可愛がり方はほぼ同じ」と感じているからなんでしょうね!

実はですね、この思想↑というか心得違いというかまあある種の男性の感じ方ですわね、以前に洋画でも見たことがあるのですよ。それだけに洋の東西を問わず野郎というのは女性に対してそんな風に感じているのか的な憤懣と絶望とを覚えてしまうわけで――そう思うのは、たぶん私自身が犬が苦手だからであって、犬好きの女性なら歓迎するような事なのかもしれませんけど――だけどあ~た、女性は男性にとってパートナーとなるべき存在だと思っていたのたいきなりペットのレベルに叩き落とされたようなもんですよ? 立腹して当然だと思いません?


さて、その、女性の愛し方が犬も同然だった洋画ですが、タイトルは「近距離恋愛」(公式サイト )。かのパトリック・デンプシーとミシェル・モナハンにケヴィン・マクキッドがからむロマンチック・コメディ。キャストは割と好みなのに、見ていてさわやかじゃないし見終わっても後味が悪くて全然レビューしようという気になれなかったのは、要するにこのパットさん演じる主人公が生涯の伴侶を犬と同レベルにみなしていたから(公式サイト のトレイラーにもその片鱗は伺えます)。

もちろんこの主人公にとっては犬は人生を共に歩むパートナーとして信頼できる何物にも代え難い存在なのでしょうが、でもさ、犬じゃん。しかもいつも人様の飼い犬見て可愛いっていってるわけじゃん。

だからこの映画の中で主人公が取った行動って、常に自分の周りに飼い主の定まらないままうろついていた犬が自分の所より良い家に貰われて行くと決まった途端、
それまでなんとも思っていなかった犬が良く見えてきて何だか惜しくなって自分のものにしたくなるという、まるっきりガキの心理にのっとったものでしかないわけよ。

そんな男がちょっと可愛いからって(パトリック・デンプシーだから)強引なのを許して情にほだされてちゃダメじゃん!

と、見ながら私は思っていたわけです。
このパットさんが演じたトムって、史上希に見る糞野郎(失礼!)だった。この役のせいでパットさんまで嫌いになるところだったわよ。

この映画のコメディの要素は、容姿にもお金にも恵まれている男性が女性のために男性としてのプライドを全て投げ打ちなりふり構わず求愛するという部分にあるからパトリック・デンプシーという端正な俳優をキャスティングしたことは間違っていないんだけど、求愛の動機がなんつーか「恋」じゃないってのが見ていてどうしても「ロマンチック」に浸れない部分なのよね。単に自分のために「一生側においておきたい」対象を離したくないという身勝手な欲求が彼の行動を支配しているわけだから。

当然の帰結としてそういう身勝手男がさんざんな目に遭うというのがこの映画で笑いを取る部分なんだけど……パトリック・デンプシーだとなまじ好印象を観客に与えるために完全に突き放しては笑えないのよね。出始めの頃のセス・ローゲンみたいなタイプだと見てる方も笑いやすいんだけど、パットさんみたいなタイプの人だとつい同情心が湧いてしまう。でも、パットさんが演じているトムという人物はその同情に値するヤツではさらさらない、というところで観客は見ながら分裂の苦しみを味わってしまうのだわ。

なんでこんなにパットさんに肩入れしてるかというと、「魔法にかけられて」が最高によかったからで。

それに比べると「近距離恋愛」はなんじゃこりゃという程度の印象でしかなく、最後に抱いた感想が
「お前にとって生涯の伴侶は犬を飼うのと同義か!」
という怒りだったもんで、今回のアメブロニュースを読んで思い出したという次第。


いやまあしかし、私も女ですからね、好きな人の側にいられるのだったら犬でもいい! という気持ちもまた分かったりするんですよね。ほんと一時はマジでオーランド・ブルームの飼い犬のシーディーになりたいとか思いましたもんね、あの犬はオスだけど。

そ・れ・だ・け・に!!!

足元見られたようで余計に腹が立つのでした、あ~ムカツク!

ちなみに「側にいられるのだったら犬でもいい!」と女に思わせられるのは、それこそオーランド・ブルームのように身も心も体も美しい男性に限らてますので、そこんとこお間違えなく♪