牛の鈴音」公式サイト 字幕入り予告編付き



この作品は数ヶ月前から映画祭関連でタイトルを目にすることが多くなってきていて、ちょっと気になっていたんですよね。日本でも東京国際映画祭「コリアン・シネマ・ウィーク2009」ですでに上映済みのはず。

どうして気になったかというと、宣伝文句にちょっとむっとしたから。
韓国では、たった7館でスタートし、クチコミが広がり、
最終的にはなんと累計約300万人を動員しました。

この数字は韓国の15人に1人が見た計算となり、
日本の人口規模にすると「踊る大捜査線 THE MOVIE」(700万人)、
「ロード・オブ・ザ・リング」(670万人)を上回ります


なんですか、この"日本の人口規模にすると(中略)「ロード・オブ・ザ・リング」(670万人)を上回ります"っていう記述は。「ロード」ファンに対する挑戦ですか(←違う違う)。根っからの「ロード」ファンとしてはこれは見過ごしにはできない言い回しですよ(←売られてもいないケンカを勝手に買ってます)。

それでこのたび「牛の鈴音」の12月ロードショーが決まったということで、敵情視察(?)もかねて上に貼った予告編を見てみたんですよ。


いやもう、のっけからガツンと一発やられました。
青空と葉の落ちた木を背景に牛と荷車(?)から出た人のシルエットが浮かび上がっているだけなんですが、その逆光を浴びた映像の絶妙に美しいこと! これはもう脱帽です。「ロード」ファンとして甲を脱ぐとまでは言いませんが、でもこれだけ美しい映像を見せてくれるんなら韓国で300万人動員しても当然ですわ。

その次は顔に年輪が刻まれたようなおばあさんとおじいさんの顔のアップになるんですが、それがまた素晴らしいお顔なんですね。映画スターの様に整った顔立ちというのではないのですが、風雪に耐えながらも人生をしっかりと歩んできた人の内面からの美がにじみ出ているお顔なのです。これに近いお顔は最近ではスーザン・ボイルさんが初めて世に出た時の映像で見ました。作為のない、本当に自然な美しさが宿った顔です。こういう顔は作ろうとしてもできるものではありませんから、「俳優」にはできない。ドキュメンタリーでとらえたものだから、出てくる人達のその顔自体が強い存在感を示すインパクトとなって観客の胸をうつのです。

その後に畑のシーンが出てくるのですが、これまた「ロード」ファンにはぐっと来る緑したたる風景なんですよ~。とにかく「ロード」といえばホビット庄の緑の豊かな美しさがまず第一印象として残るんですが、それと同じ感動をすでにこの予告編の段階で味わってしまいました。あっ、今日これから「ロード・オブ・ザ・リング」見直しちゃおうかしら。「牛の鈴音」は12月ロードショーだっていうからそれまで待てないし。


この緑に牛に子どものように可愛らしいおじいさんとおばあさん。
ほとんど「ロード」のホビットの世界だわ。


最初は反発心から予告編を見たのに、何故かすっかり虜になってしまった私。でもこの映像の美しさなら「ロード」ファンも満足だわ~。日本でも「ロード」ファン中心に(?)たくさんの人に見て貰いたいわ~。


もちろんドキュメンタリーですから内容にはきっとつらい部分も含まれているんでしょうけれどね。でも「ロード」だって全員つらい体験をのりこえてるんだから同じよ~(←どこがじゃ)。

12月になったら是非見にいかなくっちゃ♪