ワタクシ、この「クリスマス・キャロル」(字幕版)についてはジム・キャリーが主演しているという以外にほとんど事前情報をいれずに見にいったもので、キャストに「ゲイリー・オールドマン」の名前があるのを見て大変驚いた次第です。

いずれ3Dも見るつもりなんですが、まずはキャスト達の声の演技をたっぷり味わいたいなと思って字幕版を先にしたんですが、ゲイリー・オールドマンの名前を見てすっかり儲けものの気分になってしまいました。

あ、そういえばコリン・ファースもいたけれど、私、彼にはさほど興味がないもので……(すみません)

お話はもう、原作も読んでるし他の映画でも見てるしで、展開に期待するものはなかったんですが――私がアホでした。ゼメキス監督ごめんなさい。監督の映像センスの前にただただひれ伏しまする。

も、これ、映像的にはホラーですから。

何も知らない頑是無い幼子をこの映画につれてったら、絶対「クリスマス・キャロルは死ぬほど恐いホラー映画」だとインプリンティングされることでしょう。あとでディケンズの原作読んだらびっくりするだろうな。

ま、確かに亡霊とか精霊とか出てくる超自然的な展開ですからね、ホラーと解釈してもいいわけなんですが……でもよくこれディズニーが許したわよね。ちっちゃい子が3Dで見たらトラウマになりかねないわよ、ホント。

しかもですね、たぶん、原作を知らない人が見たら、スクルージがどうして改心したか分からないのではないかと。だって原作知ってる私にも全然ピンときませんでしたから。

この映画だとホラー的な要素が強すぎて、亡霊精霊達によってたかってさんざん驚かされたスクルージが恐怖のあまり自分を見失って改心したとしか思えないんじゃないかね~?

いや、もちろん改心したスクルージはクリスマス精神に満ちあふれた可愛いおじいちゃんそのもので、そのシーンを見ているだけで気持ちがなごみすっかり嬉しくなってしまうんですけどね。今まで恐かった分の反動がきてほっと安心したのも手伝ってよかったよかったで劇場を後にはできますけどさ。

でもなんかこう、スクルージの改心の部分がはっきり伝わってこなかったなあという漠然とした不満が残るのですわ。どんなによくできていても、アニメのキャラには深い感情移入ができなかったからでしょうか。見た目がどんなに人間に近く、人間の表情を克明にうつしとったCGアニメでも、それをCGアニメと認識してしまう限り限界が――自分の中に――あるような気がします。

いやしかしヴォイスキャストは素晴らしかった!

エンドクレジットでジム・キャリーのみならずゲイリー・オールドマンまでが何役も演じていた事を知って茫然自失としましたよ、あたしゃ。俳優さんの顔とCGキャラの顔が一致すればそれは同じ人の声なんだろうという推測はつきますが、顔が全然違ってるキャラに関しては全く気づきませんでした。脱帽です。監督だけじゃなくてヴォイスキャラの皆様にもひれ伏します、はい。