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より(以下一部抜粋)
■映画「2012」で大災害描く
轟音(ごうおん)とともに大地震が起こり、地面が割れ、建物が崩れ落ちる。アメリカの象徴ホワイトハウスは、大津波に押し流された巨大な空母に押しつぶされる…。
空想の世界、つまり映画でしか見られない大災害と、危機に立ち向かう人々を描いた映画「2012」を見れば、だれもが息をのむはず。話題作のメガホンを撮ったのは、ディザスター(災害などの意味)ムービーというジャンルがあるなら間違いなく第一人者とされるこの人。
「過去にいろいろな作品を撮って、今ではファンのみる目も厳しい。だから今回は特別な作品にしたかった。たとえば街全体が揺れる、というようなものは実 際には撮れない。だから、すべてコンピューター上でつくった。大変な作業でしたが、考えられる視覚効果はすべて使いました」
「すごく興味を持ってリサーチしていた」という中南米のマヤ文明が予言しているとされる「2012年終末説」。「終末の日時にまで言及しているのはマヤ文明だけ」。落ち着いてじっくりと話す様子から、作品への自信があふれ出る。
◇ ◇
《2012年、売れない作家のジャクソン(ジョン・キューザック)は、別れて暮らす2人の子供とのキャンプで、干上がった湖を厳重警備する兵士と「世界 は滅びる」と話す奇妙な男に出会う。だがそのときアメリカなど各国政府は、すでに終末に向けた準備を進めており、ロサンゼルスが大地震に見舞われる…》
「インデペンデンス・デイ」や「デイ・アフター・トウモロー」といった大作。確かにスケールの大きな映像に目を奪われたが、そうした映画で、危機に立ち向かう“普通”の人々を描きたいのだという。
「どの国の人でも、どういう社会的地位の人でも、災害が起これば、父親、母親ならまず子供のことを考える。そういう思いは万国共通のはず。そして一般の人がヒーローになる。だから私はディザスター・ムービーが好きなのです」
過去のパニック大作も研究したといい、「非常に多くのキャラクターが、それぞれ予測できない展開を歩む。そのストーリーにはらはらする」ところも魅力にあげる。
◇ ◇
少年のころは怖がりで、どちらかといえば本好きな少年だったそうだが、プロダクションデザイナー(作品全体の美術から、出演者の性格付けなども決める職種)から「偶然」進んだという監督の道で、第一人者の地位まで上り詰めた。
渾身(こんしん)の作品が完成したばかりでやや酷かもしれないが、次のディザスター・ムービーの撮影予定を尋ねた。すると、おどけた表情で「もうやらな いよ。これが最後だよ」と笑った。だが、ファンとしてはどうしてもさらなる進化を求めてしまう。(文・広瀬一雄、写真・宮川浩和)
■ローランド・エメリッヒ 1955年、西ドイツ(当時)生まれ。ミュンヘンの映画学校で学び、83年の「スペースノア」で脚光をあびる。ハリウッドで は「インデペンデンス・デイ」(96年)が大ヒット。ゴジラのハリウッド版リメーク(98年)などを経て、「デイ・アフター・トゥモロー」(2004年) で地位を不動のものとする。
■映画「2012」で大災害描く
轟音(ごうおん)とともに大地震が起こり、地面が割れ、建物が崩れ落ちる。アメリカの象徴ホワイトハウスは、大津波に押し流された巨大な空母に押しつぶされる…。
空想の世界、つまり映画でしか見られない大災害と、危機に立ち向かう人々を描いた映画「2012」を見れば、だれもが息をのむはず。話題作のメガホンを撮ったのは、ディザスター(災害などの意味)ムービーというジャンルがあるなら間違いなく第一人者とされるこの人。
「過去にいろいろな作品を撮って、今ではファンのみる目も厳しい。だから今回は特別な作品にしたかった。たとえば街全体が揺れる、というようなものは実 際には撮れない。だから、すべてコンピューター上でつくった。大変な作業でしたが、考えられる視覚効果はすべて使いました」
「すごく興味を持ってリサーチしていた」という中南米のマヤ文明が予言しているとされる「2012年終末説」。「終末の日時にまで言及しているのはマヤ文明だけ」。落ち着いてじっくりと話す様子から、作品への自信があふれ出る。
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《2012年、売れない作家のジャクソン(ジョン・キューザック)は、別れて暮らす2人の子供とのキャンプで、干上がった湖を厳重警備する兵士と「世界 は滅びる」と話す奇妙な男に出会う。だがそのときアメリカなど各国政府は、すでに終末に向けた準備を進めており、ロサンゼルスが大地震に見舞われる…》
「インデペンデンス・デイ」や「デイ・アフター・トウモロー」といった大作。確かにスケールの大きな映像に目を奪われたが、そうした映画で、危機に立ち向かう“普通”の人々を描きたいのだという。
「どの国の人でも、どういう社会的地位の人でも、災害が起これば、父親、母親ならまず子供のことを考える。そういう思いは万国共通のはず。そして一般の人がヒーローになる。だから私はディザスター・ムービーが好きなのです」
過去のパニック大作も研究したといい、「非常に多くのキャラクターが、それぞれ予測できない展開を歩む。そのストーリーにはらはらする」ところも魅力にあげる。
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少年のころは怖がりで、どちらかといえば本好きな少年だったそうだが、プロダクションデザイナー(作品全体の美術から、出演者の性格付けなども決める職種)から「偶然」進んだという監督の道で、第一人者の地位まで上り詰めた。
渾身(こんしん)の作品が完成したばかりでやや酷かもしれないが、次のディザスター・ムービーの撮影予定を尋ねた。すると、おどけた表情で「もうやらな いよ。これが最後だよ」と笑った。だが、ファンとしてはどうしてもさらなる進化を求めてしまう。(文・広瀬一雄、写真・宮川浩和)
■ローランド・エメリッヒ 1955年、西ドイツ(当時)生まれ。ミュンヘンの映画学校で学び、83年の「スペースノア」で脚光をあびる。ハリウッドで は「インデペンデンス・デイ」(96年)が大ヒット。ゴジラのハリウッド版リメーク(98年)などを経て、「デイ・アフター・トゥモロー」(2004年) で地位を不動のものとする。