> 香港の映画作家、ウォン・カーウァイ 監督が、伝説の武術家イップ・マンを描くカンフー映画「ザ・グランド・マスター(一代宗師)」の撮影にまもなく入ることが分かった。
イップ・マン(葉問)は知る人ぞ知るカンフーの師匠。1893年中国広東省仏山生まれ。1940年代に中国共産党政府を逃れて香港に渡り、レストラ ン従業員をしながら、72年に亡くなるまで数百人という弟子をとって、少林拳を祖とする中国武術の一派、“詠春拳”を教えた。かのブルース・リー も、アメリカでTVスターになる前にイップの元に弟子入り。のちに“截拳道(ジークンドー)”を創始している。
このイップ役には、企画当初よりトニー・レオン (「恋する惑星 」「花様年華 」)が決まっていたが、クランクイン前に2カ月間も特訓を受け、その際に腕を骨折。9月クランクイン予定だったが、順延されていた。トニー・レオン は、ウォン監督の「花様年華 」で2000年カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞している。
なお、イップの妻役として、94年の結婚以来、事実上引退していた台湾の伝説的女優ブリジット・リン (「恋する惑星 」「楽園の瑕 」)の復帰も噂されたが、撮影延期により、中国人女優チャン・ツィイー (「グリーン・デスティニー 」「2046 」)がその代役に決まった。さらに、コン・リー (「2046 」)も女性キャストの大役を演じると噂されたが、すでに降板しているようだ。
北京の新聞各紙によると、撮影スケジュールは12月12日より来年4月18日までとゆったり組まれている。また、映画サイトTwitchによると、台湾のチャン・チェン (「2046 」)がブルース・リー役を演じるのではないかと予測している。
イップの生涯は昨年、ドニー・イェン (「HERO」)主演により別の伝記映画「イップ・マン」としてウィルソン・イップ 監督が映画化している。