マット・デイモン 主演「ジェイソン・ボーン」シリーズ第2弾「ボーン・スプレマシー 」と第3弾「ボーン・アルティメイタム 」の監督を務めたポール・グリーングラス 監督が、引き続きメガホンをとる予定だったシリーズ最新作「ボーン4(仮題)」から降板したようだ。米映画サイトThe Playlistがスクープした。
「ボーン4」に関しては以前からスタジオのユニバーサル・ピクチャーズと同監督の間の不協和音がささやかれていたが、降板の直接のきっかけは脚本家の交代劇にあったようだ。当初、「ボーン・アルティメイタム 」の脚本家ジョージ・ノルフィ が 「ボーン4」の脚本を執筆していたが、その出来が芳しくなかったため、スタジオが新たに注目の新人脚本家ジョシュア・ゼトゥマーを起用したのが今年8月の こと。しかし、グリーングラス監督はその件に関してユニバーサルから相談を受けておらず、それが気に入らなかったのではないかと言われている。
しかも、事態を複雑にしているのが、グリーングラス監督の最新作で、同じくユニバーサル製作・デイモン主演のイラク戦争を舞台にしたスリラー「グ リーン・ゾーン(原題)」(2010年3月12日全米公開)の存在だ。もともと予算1億ドルの超大作だが、グリーングラス監督が何度も撮り直しを主張した 結果、製作費は実質1億5000万ドルまで膨らんでしまったという。ユニバーサル側では、「ボーン 」シリーズの立役者の1人であるグリーングラス監督をつなぎ止めておくための手段として、シリーズの合間に同監督の好きな作品を撮らせていたようだが、それが高くつきすぎたのに加えて、「ボーン・アルティメイタム 」のときも度重なる撮り直しで予算を超過していたことから、苛立ちを募らせていたと見られる。
そこで気になるのがジェイソン・ボーン役のデイモンの去就だ。デイモンはつねづねグリーングラス監督への「忠誠」を口にしており、同監督と一緒に降 りてしまう可能性もある。そうなると、デイモンをつなぎ止めるためにユニバーサルがグリーングラス監督の慰留に努める可能性も高くなる。いずれにしても、 当初予定されていた来年秋のクランクインは難しくなったようだ。