>映画『グッド・バッド・ウィアード』『G.I.ジョー』、そして極め付けは映画『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』 と、銀幕での悪役ぶりが目立つイ・ビョンホンだが、その背景には、韓流スターとしての座に甘んじない、彼の攻めの姿勢があった。
受難と救済の物語をハードボイルドに仕立てたサスペンス映画『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』でイ・ビョンホンが演じたのは、冷酷非道なマフィ アのボス、ス・ドンポ。キラースマイルを封印した鬼気迫る熱演に、衝撃を覚える女性ファンも少なくないだろう。出演オファーに対しては、「一筋縄ではいか ない脚本なので、正直言って最初は参加するかどうか悩みました」と語るビョンホン。結果的には「人一倍強い好奇心に背中を押されて」出演を決めたという。 さらに「韓国映画界では大きな冒険がしにくいので、イ・ビョンホンという俳優に先入観を持たない海外の監督と組んでみたかったんです。トラン・アン・ユン 監督のようなアート映画の巨匠と一緒に仕事ができれば、演技の幅を広げるうえでも役に立つはずですからね」と役者魂あふれる発言を連発。
国際的プロジェクトなだけに、海外の観客から「イ・ビョンホン=悪役スター」として認知されかねないが「今までヒーロー的な役ばかり演じてきたの で、悪役に挑戦できたことにとても満足しています。ポーカーフェイスなス・ドンポの内面からにじみ出る残忍さを表現して、リアルな恐怖を感じてもらえるよ うに心掛けました」と語った。さらに「自分の知らない表情や新しい一面が引き出された完成作を観て、出演は正解だったと自負しています」と目を輝かせた。
イ・ビョンホンのバイオレントな演技と同様に、激しいラブシーンも話題の本作。監督の公私のパートナー、トラン・ヌー・イェン・ケーとの絡みについ ては「ラブシーンの撮影日にちょうど、監督夫妻の二人のお子さんと、夫人のお母さんが見学にいらしたんです。なかなか集中できなくて困りましたね。自分は プロの俳優なんだからと、気持ちをコントロールさせて演じ切りましたけど」と苦笑い。
木村拓哉やジョシュ・ハートネットといった共演者からも、いろいろな刺激を受けたに違いないイ・ビョンホン。そのプロフェッショナルな仕事ぶりを、本作でぜひ堪能してほしい。
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