吉永小百合「監督を胴上げしたい」 山田洋次監督、日本人3人目のベルリン映画祭特別功労賞受賞

オリコン より(以下一部抜粋) 


『男はつらいよ』シリーズの山田洋次監督が10年ぶりに手がけた現代劇、映画『おとうと』が30日、公開初日を迎え、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで 主演の女優・吉永小百合、落語家・笑福亭鶴瓶ら主要キャストが登壇して舞台あいさつを行った。そこで、山田監督がドイツのベルリン国際映画祭で特別功労賞 (ベルリナーレ・カメラ)を受賞したことが発表され、山田監督に花束を渡した吉永は「監督を胴上げしたい」と興奮。鶴瓶は「できないって。いや、意外と吉 永さん握力強いのでいけるかも」と笑いのツッコミで、山田監督を祝福した。


 同映画祭は、ドイツ・ベルリンで毎年2月に開催されるFLAPF(国際映画製作者連盟)公認の国際映画祭で、カンヌ、ベネチアと並ぶ世界三大映画祭のひ とつに数えられるビッグイベント。今年は2月11日から21日まで開催され、映画『おとうと』は映画祭の大トリを飾る、クロージング作品として現地時間2 月20日に上映される。特別功労賞は映画界に多大な貢献をした個人、団体に授与されるもので、これまでに2007年にクリント・イーストウッド、日本人で は2000年に市川崑監督、2001年に熊井啓監督が同賞を受賞しており。山田監督は日本人で3人目。

 山田監督は受賞の喜びを「この映画は市川崑監督の『おとうと』という作品がなければできなかった。感謝と尊敬の念を持っている市川さんと同じ賞を受賞で きて、生きていらっしゃったら報告しに行って、喜んでもらえるのになと思っています。長年支持してくださったみなさん、スタッフ・キャストの代表として受 け取りたい」とコメントした。

 映画『おとうと』は、東京で堅実に生きてきた姉と、大阪で何かと問題ばかりを起こしてきた弟を中心に、家族の絆を描く。ターミナルケアなどの現代的な問題にも触れた山田監督の真骨頂といえる作品。

舞台あいさつには、ほかに蒼井優、加瀬亮、石田ゆり子、小林稔侍が登壇した。

<山田洋次監督作品 ベルリン映画祭出品歴>
●1989年 『ダウンタウンヒーローズ』 コンペティション部門出品
●1994年 『学校』 パノラマ部門出品
●2003年 『たそがれ清兵衛』 コンペティション部門出品
●2005年 『隠し剣 鬼の爪』 コンペティション部門出品
●2007年 『武士の一分』 パノラマ部門 オープニング作品、特別部門出品
●2008年 『母べえ』 コンペティション部門出品
●2010年 『おとうと』非・コンペ部門出品