eiga.com より(以下一部抜粋)

渡部篤郎 が初めてメガホンをとった「コトバのない冬 」の完成披露試写会が2月10日、都内の劇場で行われ、渡部監督をはじめ主演の高岡早紀 広田レオナ が舞台挨拶に立った。

同作は2004年に撮影し、08年には第21回東京国際映画祭でコンペティション部門に選出。足掛け6年をかけて公開にこぎ着けた渡部監督は、「う れしい限りです。自主製作だったので、いつ上映するとか決めずに撮影しましたが、いつか皆さまの下に……とは思っていました」と感無量の面持ちだ。


撮影は、北海道・由仁町で約3週間にわたって敢行。落馬事故がきっかけで、ほんの少しだけ記憶を失ったヒロインと言葉を話せない男の、変化のない日 常の交流を軸に描く。ヒロインを演じた高岡は、「4年くらい前かと思っていたら6年前だったとは。ようやく公開でうれしいですが、私、太っちゃいました」 と照れ笑い。広田にいたっては、「9キロ太りました。まずいですよね、人として」と明かし、笑いを誘っていた。


さらに広田は、撮影中に渡部監督と二人きりで遭難しかけたことを告白。「猛吹雪のなか、スノーモービルで150キロくらい出すんですよ。視界ゼロだ し、この人と一緒に死にたくない! 好きな人と死にたい! と思っていました」。さらに、渡部監督の指揮ぶりについて「演出は忘れちゃいましたが、少年み たいにかわいかったり、しっかりしていたり色々な面を見せてくれたので、好きにならないように努力しました。ほれそうになると『だまされるな!』と言い聞 かせていました」と語った。


一方の渡部監督は、「遭難したのは5分くらいですよ。はぐれただけです」と釈明し、「5分!? 私には1時間くらいに感じた。だって、誰もいないん だもの」と食い下がる広田を一蹴。そして、第46回台北金馬映画祭Gala Screenings部門にノミネートされるなど、5カ国の映画祭で上映されたことに触れ「海外で『親を大事にしようと思った』『田舎を大切にしようと 思った』と声をかけてもらったことがすごくうれしかった。本当にいい経験をさせてもらった」と話し、深々と頭を下げていた。

コトバのない冬 」はジョリー・ロジャー配給で、2月20日から全国で順次公開。