シネマカフェ的海外ドラマvol.139 謎好き恋愛マスターJ.J.エイブラムスのあれこれ
>「FRINGE/フリンジ」の製作会社は、映画『スター・トレック』や『M:i:III』の監督としても知られる旬のヒットメイカー、J.J.エイブラムス率いる“バッドロボット”。J.J.自ら共同クリエイターに名を連ねる「FRINGE/フリンジ」 には、“J.J.印”とも言うべき特徴がたくさん詰まっています。そこで、今回はJ.J.エイブラムスという人物に改めて迫りつつ、「FRINGE/フリンジ」 のJ.J.印部分を探っていきたいと思います。いまや映画監督として、プロデューサーとして知名度を誇るJ.J.が、最初にハリ ウッドで注目を集めたのは脚本家として。ハリソン・フォード主演映画『心の旅』やメル・ギブソン主演映画『フォーエヴァー・ヤング/時を越えた告白』など を執筆し、若き脚本家として高い評価を得ました。そんな彼が、脚本家がクリエイターの座に就いて企画責任者の役割を果たすTVドラマの世界で活躍し始めた のはごく自然な流れ。「フェリシティの青春」や「エイリアス」 、さらには「LOST」 といったヒット作を手がけるようになります。
ここでひとつ着目しておきたいのは、初期の代表作「フェリシティの青春」や「エイリアス」 の存在。SFミステリー好きにも程がある印象を「LOST」 と共に放ち、もちろん「FRINGE/フリンジ」 で も謎まみれのストーリーを展開させているJ.J.ですが、前者の「フェリシティの青春」は意外なほど胸きゅんな青春ドラマ。ヒロインのフェリシティが高校 時代にずっと好きだった相手を追い、名門大学への進学をやめて彼の進む大学に入学するところから物語が始まります。一方、「エイリアス」 は ジェニファー・ガーナー扮するヒロイン、シドニーが恋人の死をきっかけに、苦悩に満ちた二重スパイ生活を繰り広げるサスペンス・アクション。「フェリシ ティの青春」とはジャンルこそ異なるものの、こちらでもやはり愛に突き動かされる一途なヒロインのドラマが丹念に描かれています。
…と、ここで気づくのは、「FRINGE/フリンジ」 の 顔であるニューヒロイン、オリビア・ダナムにも歴代のJ.J.ヒロインたちとの共通項があること。相棒で恋人だったジョンの命を救うために立ち上がり、不 可解な事件の世界にずっぷりとはまり込んでいくオリビアのドラマにも愛の力と一途な想いが充満しています。しかも、これまたJ.J.ヒロインの先輩たちと 同様、そもそもオリビアは何事にも全力を尽くす生真面目な頑張るっ子。捜査という形で“パターン”に巻き込まれながら、真相を探ろうとするオリビアの奮闘 が共感を呼びます。とは言え、オリビアの物語は次第に思いがけない方向へと向かっていくことに…!? そのあたりはやはりSFミステリー好きにも程がある 方のJ.J.印と言えましょうが、謎まみれになりたい人はもちろん、胸きゅんを求める人にも実はオススメなのが「FRINGE/フリンジ」 なのです。