シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)

> 大事業を成功させるためには接待などの根回しも必要だが、ハリウッドで一番の大事業はアカデミー賞の受賞だ。アカデ ミー授賞式を日曜日に控えた今週、開催される予定の根回しパーティーは推定36パーティー以上。ハリウッドのどこかしらで連日平均6つ前後のパーティーが 行われていることになる。

 おととし映画業界に大打撃を与えた全米脚本家組合(WGA)のストライキ以来、オスカー前の根回しパーティーは下降線をたどりつつあったが、去年はその上に経済危機が加わわってほとんどの映画スタジオがパーティーを取りやめるという事態になった。


 今年に入って、パーティーの数こそ増えたものの、映画スタジオが主催のパーティーはひと握りほど。8部門でアカデミー賞候補に挙がっているディズ ニーや7部門で候補に挙がっているワーナーブラザーズですら、スタジオ主催のパーティーは控えている。その分、“ウイメン・イン・フィルム”のような非営 利団体であったり、BMWやディオールといったブランドが主催するパーティーが勢いを取り戻してきているようだ。


 だがやはりパーティーの規模は、全盛期に比べると格段に小規模で、ノミネートされている映画の直接関係者でもない限りはたとえ業界人でもパーティーの招待リストに載ることは至難の技で、主催側は何とかパーティーに入れてもらいたい人たちの対応に右往左往しているらしい。


 規模が小さいとはいえ、パーティーが増えてきたのは経済が上向きになってきた証拠という業界関係者もいるようだが、平均10パーセントの失業率を 抱えるアメリカをみると、「それは残念ながらそれは早合点である」というエコノミストの分析が妥当ではないかと言わざるを得ない。いずれにせよ日曜日のア カデミー賞は、不景気も忘れて楽しもうじゃないか、というのが満場一致のハリウッド的分析である。