MovieWalker より(以下一部抜粋)


>映画賞の最高峰・日本アカデミー賞授賞式が3月5日、東京・品川のホテルで開催され、監督、出演者、スタッフほか関係者が集った。注目の作品賞は、渡辺謙が主演した『沈まぬ太陽』が獲得し、編集賞そして最優秀主演男優賞を含む3部門で栄冠に輝いた。

式の一番最後に発表された作品賞で、『沈まぬ太陽』関係者が登壇し、渡辺は壇上から「木村大作さん、すみません!」と一声。式の最初から一貫して 「作品賞が欲しい」とアピールしていた『劔岳 点の記』の木村監督をねぎらいながら、「これ(最優秀主演男優賞)より欲しかったのでうれしいです!」と喜びをあらわにした。

一方の『劔岳 点の記』は、監督賞をはじめ、撮影賞、照明賞、音楽賞、そして最優秀助演男優賞(香川照之)で受賞し、こちらも優れた作品であることが証明された。

驚きは、2年連続で最優秀助演女優賞を受賞した余貴美子。前回同賞を受賞したため、今回はプレゼンターを務めていたが、自身が候補となっていた『ディア・ドクター』で壇上から自分の名前を呼ぶ珍しい場面となった。

今回の授賞式は、映画好きとしても知られる関根勤氏の司会っぷりがよく表れており、時おり話がマニアックな方向に進みながらも、式全体が和やかに進 行された。終了直前には、スペシャル・ゲストとして鳩山由紀夫首相が訪れ、映画が魅力のある素晴らしい芸術だということを述べつつ、受賞作および受賞者を 祝福した。

受賞の素晴らしさは、多くの人に作品を観てもらうことで、その輝きを増す。ひとりでも多くの人々が受賞作を観て、映画の良さを感じてもらいたい。


主な各賞の授賞は以下のとおり。

●最優秀作品賞:『沈まぬ太陽』/ほか優秀賞作品賞:『ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ』、『ゼロの焦点』、『劔岳 点の記』、『ディア・ドクター』

●最優秀監督賞:木村大作(劔岳 点の記)/ほか優秀監督賞:犬童一心(ゼロの焦点)、西川美和(ディア・ドクター)、根岸吉太郎(ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ)、若松節朗(沈まぬ太陽)

●最優秀主演男優賞:渡辺謙(沈まぬ太陽)/ほか優秀主演男優賞:浅野忠信(ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ)、浅野忠信(劔岳 点の記)、大森南朋(ハゲタカ)、笑福亭鶴瓶(ディア・ドクター)

●最優秀主演女優賞:松たか子(ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ)/優秀主演女優賞:綾瀬はるか(おっぱいバレー)、広末涼子(ゼロの焦点)、ペ・ドゥナ(空気人形)、宮崎あおい(少年メリケンサック)

●最優秀助演男優賞:香川照之(劔岳 点の記)/優秀助演男優賞:瑛太(ディア・ドクター)、堺雅人(ジェネラル・ルージュの凱旋)、玉山鉄二(ハゲタカ)、三浦友和(沈まぬ太陽)

●最優秀助演女優賞:余貴美子(ディア・ドクター)/優秀助演女優賞:木村多江(ゼロの焦点)、鈴木京香(沈まぬ太陽)、中谷美紀(ゼロの焦点)、室井滋(ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ)

●最優秀アニメーション賞:『サマーウォーズ』/ほか優秀アニメーション賞:『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:破』、『映画ドラえもん』、『新・のび太の宇宙開拓史』、『ホッタラケの島 遥と魔法の鏡』、『名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー)』

●最優秀外国作品賞:『グラン・トリノ』/ほか優秀外国作品賞:『スラムドッグ$ミリオネア』、『チェンジリング』、『レスラー』、『レッドクリフ PartII 未来への最終決戦』