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 いつの時代にも人々の好奇心をくすぐる“終末説”。まことしやかに伝わる“世界の終わり”の予言も、その日を過ぎると忘れ去られ、また新たな予言が登場 する。その繰り返しの中で、最近は古代マヤ文明の“予言”による2012年の終末説がブーム。昨年公開されたローランド・エメリッヒ監督のディザスター映 画『2012』や、同作に便乗したテレビ番組も放送され、終末の恐怖を煽っている。

 世界175か国で配信されているドキュメンタリー専門チャンネル『ディスカバリーチャンネル』では、2012 年12月21日に世界が破滅を迎えるという予言について、各分野のエキスパートに取材した45分のドキュメンタリー番組『2012 アポカリプス』を放 送。番組では、太陽物理学者から宇宙物理学者、科学誌の寄稿編集者などが登場し、それぞれの専門知識を基に地球滅亡説を検証した。


 「宇宙のいろんなものが、何の前触れもなく、地球に降ってくるかもしれない。一番 考えられる脅威は、ほんの1億5000万キロ先にある太陽だ」(科学誌の寄稿編集者ジョン・レニー氏)と警戒する人もいれば、NASA太陽物理学者ホ リー・ギルバート博士のように、銀河の中心、太陽、地球が一直線に並ぶ現象(銀河直列)によって2012年に人類が滅亡する説を「1998年にも起きてい るが無事だった」と一刀両断する学者も登場する。


 NASA宇宙物理学者C・アレックス・ヤング博士は「2012年に太陽からガスが放出される現象、CME(コロナガス噴出)があるかもしれない。ガスが 移動する速度は、時速およそ160万キロ。気づいた時にはもう対処できません」と別の終末を説く。このような各種専門家たちの楽観論、悲観論が飛び交い、 やがて番組はひとつの結論を導き出すが・・・。


 専門家が何を言おうとも、人類が2012年を無事に生き過ぎるまで“終末説”の議論は尽きそうにない。なお、日本未放送の同番組は、映画『2012』の Blu-ray・DVDソフトの購入者プレゼントとしてDVD化(非売品)される。