> SMAPの香取慎吾(33)が25日、東京都港区の蓮乗寺に眠る俳優、勝新太郎さんの墓参りを行い、主演映画「座頭市 THE LAST」(5月29日 公開)の完成を報告した。“3代目・市”を担う香取の実力は?

 「慎吾を引っ張っていこうと思っていたら、スタッフみんなと慎吾に引っ張られたね」

 こう語るのは阪本順治監督。香取には主人公“市”が憑依しているようで、撮影中は薄目も開けず、ずっと目を閉じて臨んだ。殺陣も迫力満点だという。

 勝さんの墓に手を合わせた香取は、「『おーそーか、そーか。俺も見るよ』と聞こえた気がしました。グッとくるものがありました」と話した。

 本作では市の最期が描かれる。阪本監督は「勝さんから次の座頭市のアイデアを食事をしながら聞いていました。内容? 危なくて言えないですね」と、言葉 を選びながらもこう続けた。

 「市は死ぬ美学に寄っかかっているわけではなく、闇に光を見た。犬死や悲壮感で、追いつめられるわけではなく、思い続けた愛する人とこの先もう一度出 会って希望の生活をするにはどうすればいいのか、考えたのだと思います」

 座頭市は1962年に勝さんの主演で公開され、シリーズ26作が世に出た。2003年には北野武が監督主演をかねて斬新に“リメイク”。海外でも高く評 価された。

いわば3代目の市になる香取には大いに期待がかかるが、『勝新役者バカ一代』の著書がある芸能評論家の肥留間正明氏はこう語る。

 「日本史上最高のB級映画。勝さんは深いし、したたかな役者で天才中の天才だった。厳しいことを言うと、たけしのタップダンスは、やってほしくなかった し、陽のイメージが強い香取くんだとお坊ちゃまのイメージがぬぐえないんじゃないかな。ただ、この映画の基本は、市のやさしさ。それをどう出すかだね」