近年、個性的な監督とタッグを組むことが多くなった男優ビル・マーレイと、どの作品でも人々に強烈な印象を与える 女優シシー・スペイセクがTribeca Film Festival(トライベッカ映画祭)に出展している『ゲットー・ロー/Get Low』(原題)について語り、それぞれの私生活についても明かしてくれた。
本作は、山小屋で隠居生活をしていた老人フェリックス(ロバート・デュヴァル)が、自分が息を引き取る前に、自らの葬式を計画するというストー リー。1930年代、テネシー州に実在した老人フェリックス・“ブッシュ”・ブレゼルの実話を映画化した作品で、ビルは葬儀屋を演じ、シシーはフェリック スがかつて思いを寄せた女性の姉妹を演じている。
主人公のフェリックスは、長い間同じ女性に思いを寄せているが、シシーは「5歳の時から私のボーイフレンドだったクリフォードというハンサムな男 の子が、私が10歳の時に、彼の母親に私の薬指を計らせて、数週間後に銀色のリングをプレゼントしてくれたことがあったの!」とシシーにも長年思いを寄せ てくれた男の子がいたことを明かしてくれた。しかし、この話にはオチがあり、その4、5週間後に胸の大きな転校生が引っ越してくると、彼はすぐに彼女に別 れを切り出してきたという。「プレゼントしたリングも返してくれ! って言ってきたのよ!! 結局、仕方なく返したんだけど、そうしたらそのリングをその 転校生が指にしていたの!」と語った。しかし、その転校生にシシーの指輪のサイズは合っていなかったらしい。
ビルはエージェントを雇っていないことでも有名だが、エージェントからひっきりなしに掛かってくる出演依頼の電話にうんざりし、居留守を使った日 のことを明かしてくれた。「何分経っても電話は鳴り止まなかったんだよ……。エージェントの非常識な行為に嫌気がさして、それ以来、留守電は付けていない し、エージェントは解雇して、弁護士を通して出演依頼を受けるようにしたんだ」と話し、それ以降生活がしやすくなったことも付け足した。しかし、彼の周囲 は、いつも彼と連絡がつかず困っているらしい。
一方、ビルが演じた葬儀屋のフランクは、フェリックスの亡くなる前に葬式をするというとんでもない要求を受け入れる。ビルはまず「フェリックス は、過去の出来事に苦しめられ、はけ口のない感情が怒りに変わり、人々が接しがたい人物になっていたんだ」と主人公フェリックスについて話し、「フランク はそれを自分の立場に置き換えて、もし自分がフェリックスと同じような過去を持っていたら……と考えて、この要求を受け入れるんだ」と二人の関係も楽しみ な本作の魅力を明かした。
最後に、ビルの知名度を上げることにもなった映画『ゴーストバスターズ』シリーズの、2011年に公開が予定されている次回作について、「その話 を聞いたとき、半分ジョーク、半分本音で、おれの役がすぐに死ぬ役なら出演しても良いよ! って言ったら、どうやらその通りに脚本が書かれ、ゴーストとし て出てくる設定になっているらしんだ!」と驚きの設定を明かしてくれた。彼はさらに「今言えることは、新しい世代の『ゴーストバスターズ』を描くことに なっているということだ」と期待できる発言も残してくれた。