毎 日新聞

> 1998年に33歳で急死したロックバンド「X JAPAN」のギタリスト、hide(本名:松本秀人)さんの十三回忌法要が命日の2日に、「築地本願 寺」(東京都中央区)で営まれた。hideさんの死後、初めて一般の献花を受け付けた法要には3万5000人のファンが訪れ、変わらぬ人気を感じさせた。 式典ではバンドリーダーのYOSHIKIさんら500人の関係者・親族が出席。参列者の代表として、親族に次いで焼香を務めたYOSHIKIさんは関係者 らに一礼した後、祭壇に飾られたhideさんの遺影に向かい10秒以上合掌し故人をしのんだ。

【関連写真特集】hide:十三回忌法要 「hideがつむぐ糸で私たちはつながっている」

 会場ではhideさんが12年前に息を引き取った午前8時52分に、弟の裕士さん(42)が合掌を呼び掛け、早朝から列を作った3500人のファンとと もに空を仰いだ。列は昼過ぎには2キロを超す長いものとなった。

 祭壇は高さ9メートル、全長30メートル、総経費は5000万円。黄色い翼をモチーフにした電飾付きで、「今も羽ばたいているhideさんに、これから も羽ばたいてほしい」との願いが込められた。埋め込まれた200インチの大型ビジョンには、hideさんの生い立ちを振り返る映像が流された。壇上には hideさんが生前に使用した2本のギター「イエローハート」「ペイズリー」と、96年に撮影したという未公開写真も飾られた。

 法要にはX JAPANのPATAさん、HEATHさん、SUGIZOさん、元メンバーのTAIJIさんも参列。8月に発売する予定のアルバムレコー ディングのためTOSHIさんは欠席し“7人”での再会はならなかった。

 式典後取材に応じたYOSHIKIさんは「この場所に来た途端、崩れ落ちそうになった。あまりにもリアルで……」と語り、hideさんについて「永遠の 友達、永遠の仲間、戦友ですね」としみじみ。長く手を合わせた焼香中は「TOSHIが戻ってきて、いまレコーディングしているよ」と伝えたと話した。

 裕士さんは「亡くなった当日はドッキリかと思った。本人(hideさん)に会っても信じられなかった」と12年前を振り返り、「(兄は)いまもって(自 分にとって)怪獣。近い人間から見ても素晴らしい日本のロックスターです」とたたえた。【西村綾乃】

 ◇アーティストらから供花

 法要に出席できなかったTOSHIさん、GACKTさん、西川貴教さんら、生前に親交のあった多くのアーティストらから花が寄せられた。

 ◇ファンらの思い熱く

 本堂周辺には、献花をしようと多くのファンが参列。一番乗りは越野大輝さん(18)ら、東京都八王子市から来た大学生で、越野さんは「言葉では言い表せ ないかっこよさがある。いろいろなものを大切にする人間性にも引かれる」と話した。hideさんの容姿をまねた真っ赤なショートヘアの美容師、星野真弓さ ん(30)は「12年前も来ました。将来の夢が思い浮かばなかったとき、hideさんが美容師の免許を持っていることから専門学校に進んだ。今日の整理番 号は1313番。縁があるなと思う」と話した。

 ◇X JAPAN、8月に野外コンサートを計画

 YOSHIKIさんは、5万人以上を収容する国内最大の野外施設「日産スタジアム」(横浜市港北区)で8月中旬にX JAPANのコンサートを開く計画 があることを発表。実現すれば、国内では09年5月の「東京ドーム」(東京都文京区)以来のステージとなる。