産 経新聞

■無断侵入、巨大落書き 警察も出動

 若者に人気のSF系学園小説「涼宮(すずみや)ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」の舞台モデルとなった兵庫県西宮市の県立西宮北高校が、一部のファンのマナー 違反にさらされている。「聖地巡礼」として訪れたファンが無断で敷地内に侵入し、グラウンドに白線で巨大文字を落書きしたり、校舎内に入ろうとしたりして 警察が出動する騒動にも発展。同校もホームページ(HP)に警告文を掲載。「生徒に直接被害が出ないか心配」としている。 平成18年4月にテレビ放映が 始まって以降、ファンの聖地巡礼が加速。実在の建物や風景がアニメ中に登場するため、インターネット上で話題になり、ゆかりの場所を巡るファンが急増して いる。

 特に原作者、谷川流(ながる)さんの出身校で、作品中で「北高」として登場する西宮北高校は、週末になると大勢のファンが集まり、通用門の前でポーズを 取り、写真を撮る姿が目立つようになった。その一方でエスカレートするファンもいる。勝手に敷地内に入り校舎に侵入しようとしたり、校内の写真を無断で 撮ったりするケースもあり、教諭が注意することも度々という。

 昨年春と秋にはグラウンド中央に白のラインマーカーで大きく「SOS」「ハルヒ命」と落書きされ、警察が駆けつける騒ぎになった。また4月にも2回、ア ジア系の若い男数人が勝手に校内に入り込んでいたこともあった。

 事態を重く見た高校側はHPに「敷地外から写真を撮られたりするのはいっこうにかまいませんが、無断で敷地内に入ることは、犯罪になります。今後このよ うなことがあれば、警察への通報等、厳しい対応を考えています」との警告文を掲載した。

 田口文夫教頭(58)は、「学校に関心も持ってもらうのは喜ばしいが、それもルールがあってこそ。ファンなら協力してほしい」と話している。